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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ドクニンジン

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◎日本の山野の自然毒たち

ソクラテスは、死刑執行官にドクニンジンの量を減らして致死量以下にしてくれるように頼んで見たが、死刑執行官は必要な量をすりつぶしたのだとして、譲らなかった。こうして致死量のドクニンジンのジュースをソクラテスはあおり、四肢が毒で麻痺していく様を自分で「どこまで感覚がなくなった」などと、自分の死刑執行を自分でコメンテーターしながら死んで行った。

ドクニンジンは、セリに似た葉を持ち、小さな白い花をつける。もともとは、日本には自生していなかったのだが、全国的に自生地が拡大しつつある。厚労省HPによると、山菜として食用になるシャク(コシャク)に似ているため誤食の可能性もあるが、植物全体に不快な臭気があり、紫紅色の斑点で識別できるとしている。

厚労省の自然毒のリスクプロファイルHPには、こうした日本に自生する動植物の事例が紹介されていて、チョウセンアサガオトリカブトやジャガイモ(芽の部分)などの古来誰でも知っているもの以外にも、次のようなのがある。

アーユルヴェーダでは蛇咬傷の薬として知られているグロリオサは、つる性の熱帯植物だが、地下部を食べて中毒死した事例もあるけれど、花の美しい園芸植物として市販されている。 
また強心剤として古来から知られるジギタリスも鑑賞用の他、一部は野生化している。

古代の薬草本では、意外にも、その効能が、蛇やサソリや毒グモに刺された場合の症状緩和が大きな割合を占めており、これらが突然死の原因のかなりの割合を占めていただろうことがわかる。

食べられない植物を食べる機会はまずないが、将来食料の乏しいシチュエーションもあろうから、こうした野草についての知識もある程度必要になろう。山野の植物は戦後70年の経済発展の結果、未知のものが相当に増えているようでもあるし。


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