◎森女との爛れた愛の生活を鴉が笑う
一休禅師の狂雲集538番より
『鴉(からす)を聞き省あり
豪機(ごうき) 瞋恚(しんい)識情の心
二十年前 即今に在り
鴉は笑う 出塵の羅漢果
日影玉顔の吟(ぎん) 奈何(いかん)せん』
大意:
鴉の声を聞き反省あり
荒々しい心や怒りや欲情は、大悟徹底した20年前と変わらず今ここにある。
鴉は、この俗塵を超えて一休が羅漢果を得た(悟った)ことを笑う
盲目の森女が日光の中で詩を吟ずるのをどうしようか。
一休は2度大悟したが、そのうちの一回はカラスが鳴くのを聞いて大悟した。大徳寺開山宗峰妙超は、大悟の後聖胎長養20年を命じられ鴨の河原で乞食生活に入った。一休は77歳で盲目の森女と同棲し、愛欲を尽くしているので、大悟20年というのは、実際の20年でなくシンボリックな20年とみる。
狂雲集では、この詩の前後に森女との爛れた愛の生活の漢詩が並ぶ。
悟っても、働かねばならなかったり、炊事洗濯掃除など家事をしないといけなかったり、愛欲に溺れたりしなければならなかったりするが、それはその人が本当にその人らしい人生を送るというもう一つの姿。人間だから人間の面は残る。
一休禅師の狂雲集538番より
『鴉(からす)を聞き省あり
豪機(ごうき) 瞋恚(しんい)識情の心
二十年前 即今に在り
鴉は笑う 出塵の羅漢果
日影玉顔の吟(ぎん) 奈何(いかん)せん』
大意:
鴉の声を聞き反省あり
荒々しい心や怒りや欲情は、大悟徹底した20年前と変わらず今ここにある。
鴉は、この俗塵を超えて一休が羅漢果を得た(悟った)ことを笑う
盲目の森女が日光の中で詩を吟ずるのをどうしようか。
一休は2度大悟したが、そのうちの一回はカラスが鳴くのを聞いて大悟した。大徳寺開山宗峰妙超は、大悟の後聖胎長養20年を命じられ鴨の河原で乞食生活に入った。一休は77歳で盲目の森女と同棲し、愛欲を尽くしているので、大悟20年というのは、実際の20年でなくシンボリックな20年とみる。
狂雲集では、この詩の前後に森女との爛れた愛の生活の漢詩が並ぶ。
悟っても、働かねばならなかったり、炊事洗濯掃除など家事をしないといけなかったり、愛欲に溺れたりしなければならなかったりするが、それはその人が本当にその人らしい人生を送るというもう一つの姿。人間だから人間の面は残る。