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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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すべてが夢であったと気づく一つの点へ

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◎永遠の記憶を持つ男

男性の社会的成功の夢が大衆化社会により、ほとんどの男にとって絶望的となって、男性と女性の違いが際立つことになった。

核家族化と個人主義と価値観の多様化の進展により、家庭での幸福がほとんど実現不能と見えるようになって、男性と女性の違いが際立つことになった。

ここまで異性が相互に強く意識せられた時代は少ないのではないか。

易でも、男性のシンボルである離火は陽陰陽で、男性の中に女性を蔵する。また女性のシンボルである坎水は、陰陽陰であって女性の中に男性を有する。

それは我々にとってあまりにも日常茶飯事だが、この35億の男性性と35億の女性性は、その人数分の陰陽混在のバリエーションを拡大し続けている。

相互への異性への意識が高まる一方でおひとり様は増殖し、その両性具有へ向かう神秘なる結合への欲望は、やがて一なる太極を希求する。

ダンテス・ダイジの『戯れに冥想を』から以下引用。
『男性原理は女性原理によってそれ自体、中性-----むしろ両性といったほうが正確だろう-----両性化されていく。
 
そして両性化されたものは、もとの太極へ帰ってくる。
 男は女に出会うことによって止まるであろうか?
 男性という一つの貧血性-----したがってそれは当然、一種の心霊的な吸血性をおびている。

 そして、男性原理は内側に女性原理を、陰は、その内部のどこかに陽を秘めている。
 あらゆる分裂につぐ分裂につぐ分裂-----
 これが現代の人間性の現実である。
 だが、分裂し解体したものは、まったく新しい統合に向かう。統一といってもよいが、その場合には、その”一”が何を意味しているのかが問題だ。

 すべてが夢であったと気づく一つの点へ、あらゆるものが動いて行く。
 一つの宇宙的ダイナミズム、血わき肉おどるニルヴァーナの中の色彩り。
 苦にも楽にも答はなかった。
 ただ永遠の夢が、オルガズムとエクスタシーの物語を語りかける。』

あらゆるものは、のっぴきならない現実そのものであり、前世来世のカルマにがんじがらめに縛られている。不昧因果。だが、その揺るがぬ現実にも、あらゆるものを白紙に戻す死の影が差している

すべてが夢である色即是空も、最初は単なるマントラかもしれないが、いつか現実そのものとなる隙間は開いている。

苦にも楽にも答がない。70億人中何人が、その体験とは言えない体験をするのだろうか。

かくして世界は、永遠の記憶を持つ男トオスの到来を予感する。

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