◎鎮魂帰神
出口王仁三郎の霊界物語が、彼自身のトランス状態での口述をスタートしてから2021年10月18日で百年となった。
もともと大本教には、お筆先という予言群が信者を集める聖典として存在していたが、出口王仁三郎はこれを「解読」して大本神諭として整理。神典は先にこれしかなかったのが、大正に入って全82巻の霊界物語をスタート、完成させた。
スタートは、大正10年の第一次大本事件による教団弾圧の直後からであったが、400字詰め300枚を3日で仕上げるスピードで完成させた。これぞ御神業。霊界物語の分量は尋常ではなく、時間のあった大学生の時に読んだが、アラビアン・ナイト全巻のように通読に苦労した記憶がある。
全体に文語調であり、今の若い人には読みにくいかもしれないが、まだまあ読めるレベルなのではないか。
内容は、霊界の物語ではなく、霊界に仮託して、霊界の出来事が現界に移るメカニズムであることを前提に、世界の現在から未来を予言する予言部分あり、高級神霊が多数登場するが、神々が三神系に沿って、「生まれ変わり死に変わり」して、最後の天祥地瑞9巻では、地上天国、弥勒の世に持っていくまでが描かれる。
別巻入蒙篇では、出口王仁三郎が実際に大正年間に蒙古で布教活動を行うが、張作霖軍に殲滅せしめられ、九死に一生を得る経緯が書かれている。ところが、これは例の型出しであって、別巻入蒙篇では今後の日本の運命を出口王仁三郎宣教の経緯でもって予言し、かつ現在では世界の中心は日本だが、弥勒の世では、モンゴルに西遷することも予言している。
霊界物語には、言霊の原理と体系の説明、霊界宇宙の説明(黒い太陽もあり)、古事記言霊解での錬金術的説明など、クンダリーニ・ヨーガ系宗教である古神道の根本聖典の体裁と内容を備えている。
出口王仁三郎は、八さん熊さんの下世話な話の中に肝心なディテールが書いてあるというが、まま一行だけだったりするので、ほとんど彼と同等の霊眼を有する人が読んだ時にピンと来る仕掛けの書き方なのだと思う。
つまり大神の内流を受けた(悟った)人間が霊界物語を読んで初めて彼の意図するところがわかるのだろうと思う。
出口王仁三郎は、今の古事記はわやにされたとし、霊界物語をネオ古事記と位置づけた。
出口王仁三郎は六度死んだが、それにまつわるすべての業績が明かされているわけでもない。心ある人、縁ある人が霊界物語を読めば気づきも多いことと思う。
そして天皇陛下の位置づけ、天皇陛下は天孫であらせられ万世一系である。が、浮島の怪猫という奇妙な章もある。浮島の怪猫には、気になるディテールも多いが、「浮島」であるところに意味があることに最近思い当たった。
明治維新以来薩長が政権を牛耳り、現人神を頂点とする全体主義の国家戦争推進体制を構築していく中で、霊界物語を出版できたことは、後世に評価する人もいるだろうし、無数の佚文の一つとして消えて行くこともあるだろう。
それでもネットでは無料で配信されてもいるし、神秘体験に興味のある人も、予言好きの人も、至福千年みろくの世に興味のある人も、第一巻、別巻、第72巻などから取り付いてみるのもよいのではないかと思う。
戦後、大本教では、大本神諭はよく読まれたそうだが、霊界物語はあまり読まれなかったという。だが、読むべき人は読むのだろう。
出口王仁三郎の霊界物語が、彼自身のトランス状態での口述をスタートしてから2021年10月18日で百年となった。
もともと大本教には、お筆先という予言群が信者を集める聖典として存在していたが、出口王仁三郎はこれを「解読」して大本神諭として整理。神典は先にこれしかなかったのが、大正に入って全82巻の霊界物語をスタート、完成させた。
スタートは、大正10年の第一次大本事件による教団弾圧の直後からであったが、400字詰め300枚を3日で仕上げるスピードで完成させた。これぞ御神業。霊界物語の分量は尋常ではなく、時間のあった大学生の時に読んだが、アラビアン・ナイト全巻のように通読に苦労した記憶がある。
全体に文語調であり、今の若い人には読みにくいかもしれないが、まだまあ読めるレベルなのではないか。
内容は、霊界の物語ではなく、霊界に仮託して、霊界の出来事が現界に移るメカニズムであることを前提に、世界の現在から未来を予言する予言部分あり、高級神霊が多数登場するが、神々が三神系に沿って、「生まれ変わり死に変わり」して、最後の天祥地瑞9巻では、地上天国、弥勒の世に持っていくまでが描かれる。
別巻入蒙篇では、出口王仁三郎が実際に大正年間に蒙古で布教活動を行うが、張作霖軍に殲滅せしめられ、九死に一生を得る経緯が書かれている。ところが、これは例の型出しであって、別巻入蒙篇では今後の日本の運命を出口王仁三郎宣教の経緯でもって予言し、かつ現在では世界の中心は日本だが、弥勒の世では、モンゴルに西遷することも予言している。
霊界物語には、言霊の原理と体系の説明、霊界宇宙の説明(黒い太陽もあり)、古事記言霊解での錬金術的説明など、クンダリーニ・ヨーガ系宗教である古神道の根本聖典の体裁と内容を備えている。
出口王仁三郎は、八さん熊さんの下世話な話の中に肝心なディテールが書いてあるというが、まま一行だけだったりするので、ほとんど彼と同等の霊眼を有する人が読んだ時にピンと来る仕掛けの書き方なのだと思う。
つまり大神の内流を受けた(悟った)人間が霊界物語を読んで初めて彼の意図するところがわかるのだろうと思う。
出口王仁三郎は、今の古事記はわやにされたとし、霊界物語をネオ古事記と位置づけた。
出口王仁三郎は六度死んだが、それにまつわるすべての業績が明かされているわけでもない。心ある人、縁ある人が霊界物語を読めば気づきも多いことと思う。
そして天皇陛下の位置づけ、天皇陛下は天孫であらせられ万世一系である。が、浮島の怪猫という奇妙な章もある。浮島の怪猫には、気になるディテールも多いが、「浮島」であるところに意味があることに最近思い当たった。
明治維新以来薩長が政権を牛耳り、現人神を頂点とする全体主義の国家戦争推進体制を構築していく中で、霊界物語を出版できたことは、後世に評価する人もいるだろうし、無数の佚文の一つとして消えて行くこともあるだろう。
それでもネットでは無料で配信されてもいるし、神秘体験に興味のある人も、予言好きの人も、至福千年みろくの世に興味のある人も、第一巻、別巻、第72巻などから取り付いてみるのもよいのではないかと思う。
戦後、大本教では、大本神諭はよく読まれたそうだが、霊界物語はあまり読まれなかったという。だが、読むべき人は読むのだろう。