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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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心の中の生と死の境界

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◎夢の修行

C.G.ユングは、心の中の生と死の境界について、『BBCのインタビューで、ユングは「無意識の心は死をほとんど無視しており、夢は何事もないかのように進んでいく」と言った。』(臨死の深層心理 M-L・フォン・フランツ/人文書院/P91から引用)

要するに、夢の中では、人は生と死の境目を十字路を越えるが如く平然と進むものだということ。

この本では続いて、54歳の膀胱ガンの患者が夢で、54歳で早く死ぬことになったのを悟り、死を受け入れた。死を受け入れた後、夢の中で落葉樹ばかりの森に足を踏み入れたが、森林火災が起こり森は全焼した。森は黒い炭と灰ばかりになっていたが、真ん中に大きくて赤く丸い砂石が焼けていないのを発見した。

M-L・フォン・フランツは、この赤く丸い砂石こそ賢者の石だと唱える。賢者の石は、本来の自己であり、アートマンであるから、この患者は、見神したと評価できる。

焼けていないのは、不死の属性。賢者の石なる空を得るには自分が死なねばならないが、死を受け入れたことで、自分は死んだ。
全体として見れば、この患者は夢という無意識のフィールドにおいて、自分が死に賢者の石という再生までを確認したのだ。

夢の修行はチベット密教ではある。夢告も親鸞にも夢窓国師にもあった。必要な人には起こるものだと思う。

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