◎日本の経営者の感性
2015年12月11日の日本経済新聞にJ・フロントリテイリング相談役の奥田務氏の「私の履歴書」が載っている。「私の履歴書」は、例外もあるが、大体は公私の出来事の中で都合の悪いことは書いていないものであるから、話半分に読んでいる。
しかしその中で、珍しく「おや」っと目を引く内容があった。J・フロントリテイリングは、大丸、松坂屋の後身。1837年大塩平八郎の乱の時、大丸は大塩平八郎にその徳義を重んずる家風(先義後利)を評価され、焼き討ちを免れたこと。また松坂屋の社是は、なんと「諸悪莫作 衆善奉行」。
更に奥田氏が経営者になった時に、すべての経営活動において先義後利の視点を欠くと必ずと言っていいほどうまくいかなかったそうだ。
この感性が日本の経営者だと思う。この感性が日本の最も美しい部分を護持し続けてきた。大塩平八郎も大丸も松坂屋も、善なるもの真なるものの現われを義と読んで大切にしてきた。こうしたものが規模の大小を問わず、日本の津々浦々で継承されてきたからこそ美しい国日本がある。
老舗企業は、往々にして先行企業としてのノウハウと市場占有率のみで有利だと思われがちなところがあるが、こうした感性が実は時代の変わり目を乗り切るキーとなっているように思う。情報の量、情報の速さというが、実は、それを取捨選択する感性が事の本質に近いと思う。
先義後利には無私が流れている。
2015年12月11日の日本経済新聞にJ・フロントリテイリング相談役の奥田務氏の「私の履歴書」が載っている。「私の履歴書」は、例外もあるが、大体は公私の出来事の中で都合の悪いことは書いていないものであるから、話半分に読んでいる。
しかしその中で、珍しく「おや」っと目を引く内容があった。J・フロントリテイリングは、大丸、松坂屋の後身。1837年大塩平八郎の乱の時、大丸は大塩平八郎にその徳義を重んずる家風(先義後利)を評価され、焼き討ちを免れたこと。また松坂屋の社是は、なんと「諸悪莫作 衆善奉行」。
更に奥田氏が経営者になった時に、すべての経営活動において先義後利の視点を欠くと必ずと言っていいほどうまくいかなかったそうだ。
この感性が日本の経営者だと思う。この感性が日本の最も美しい部分を護持し続けてきた。大塩平八郎も大丸も松坂屋も、善なるもの真なるものの現われを義と読んで大切にしてきた。こうしたものが規模の大小を問わず、日本の津々浦々で継承されてきたからこそ美しい国日本がある。
老舗企業は、往々にして先行企業としてのノウハウと市場占有率のみで有利だと思われがちなところがあるが、こうした感性が実は時代の変わり目を乗り切るキーとなっているように思う。情報の量、情報の速さというが、実は、それを取捨選択する感性が事の本質に近いと思う。
先義後利には無私が流れている。