Quantcast
Channel: アヴァンギャルド精神世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

インド神話のクリシュナ

$
0
0
◎最後の切り札

天地中和とは世の中の善悪のバランスをとるということだが、イエスなどの神人は、このような目的をもってこの世に生を受ける。クリシュナもそうした一人。

インド神話に出てくるクリシュナは、バガバッドギータにあって、王子アルジュナの御者として参戦する。彼は、親戚一同を相手に開戦することにびびる王子アルジュナを叱咤して、迷いなく参戦させることに成功する。この説得の部分がクリシュナの考え方として有名であるがゆえに彼は一族の精神的指導者として評価されていた。

しかし、インド神話では、クリシュナの特徴は、世の中に跳梁跋扈する、悪魔、阿修羅、悪龍などを次々に退治していくところにある。

ヤムナー河畔に住む毒龍カーリヤを退治したり、悪王カンサの差し向けた刺客の悪魔ケーシンをやっつけたり。最後は、クリシュナの命を狙うカンサ王とその8人の兄弟をも、クリシュナとその兄弟のバララーマが誅殺してしまう。

要するに平和を愛好する日本人としては、神々と言えば「言向け和す」日本神話に慣れた我々の眼には、いかにも強烈な活躍ぶりなのだ。

要するにクリシュナが御自ら降誕するというのは、相当その地が切羽詰まっていたということになろう。その国は爛熟も極まり、善悪のバランサーが直接的に必要なほど症状は悪化していたということ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

Latest Images

Trending Articles