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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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メガ啐啄同機

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◎寺社の衰退と大和魂の行方

啐啄同機は、禅語であって、人が悟りに至るとき、あるいは悟りが人に至るとき、内からの成熟と外からの催促が同時に起こり、やがてそれが起こることを云う。

啐啄同機の字義は、卵が孵化するときに、雛鳥が内側から自分のくちばしで殻を破ろうとするが、この時、同じタイミングで親鳥が外から殻を破ろうとして、これが見事に一致すると雛鳥はこの世に誕生することができること。

この啐啄同機が、日本の宗教界でメガなレベルで起きている。それは、仏教では、檀家の減少や過疎などを原因とした檀家の減少と住職のいない寺の増加とその結果としてのお寺の急速な減少と衰退である。テレビ番組ぶっちゃけ寺は、こうした流れでいえば断末魔の叫びと見えないこともない。

神道では、氏子のいない祠や神社が増加している。これもお寺の減少と原因は同じだが、過疎などにより地域社会自体の縮小が限界を超えた結果、神社の維持ができなくなるという現象が全国津々浦々で起こっているもの。

こうした減少は地域社会の住民という視点でみれば、単純に地域の宗教拠点の廃絶・喪失となる。つまり外面的には無神論な地域ができあがることである。

どんな宗教でも冥想でも、修行者がいればそれを支援する信者あるいはサポーターは居るものであって、必ずそうしたグループの寄り合いの場は必要なもの。既成大宗教はもちろんのこと、新興のまともな宗教の萌芽ですらこうしたセンターは必要なものだが、それが全国的に崩落し続けているのだ。

こうした現象は、従来の生まれた土地で育ち、働き、所帯を持ち、葬られるという土着型の生活が一生できる人間が減少したせいである。その原因は、産業が農業中心から商工業中心になったことであり、終身雇用の崩壊であり(平均勤続年数12年)、おひとりさまなどの個人主義的ライフスタイルの拡大であり、単に人口減少だけを主因とするわけにはいかない。

こうして、田舎になればなるほど、鉄道の駅も下れば下るほどシャッター商店街が蔓延している。

まだ日本人の持つ本源的信仰心、道心はまだ揺らいではいないようにも見えるが、この功利的世界観によるスマホまで動員したマスコミ洗脳が継続していく限り、大和魂を持つ人間は更に減っていくことが予想される。

こうしてスピリチュアル環境が悪化していくということは、本当の宗教が求められているという動きを強化する。それは社会全体の変質に伴う潜在的社会的要請の高まりである。これが啐啄同機の外側からの動き。

これに対して、無神論的(アカ的でもあるが)功利的世界観で充満する社会に暮らすというのは、まともな人間にとってとても生きづらいものである。この結果。うつ病の生涯有病率8人に一人というメンヘラな社会になった。これこそが、神を希求する内からの内的プレッシャーの高まりと裏腹である。これが啐啄同機の内側からの動き。

この道心の空隙にまともなものが入って来るのか、さらに無神論な地獄的なものが注入し続けられるのかは、個々人が冥想するかどうかにかかっていると思う。

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