◎水木サンの幸福論
一流の漫画家水木しげるの『水木サンの幸福論(角川文庫/水木しげる)』の中に幸福の七カ条というのがあり、その第五条が『才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。』というもの。この主旨は、努力したって成功するなんて保証は何もない。むしろ失敗する可能性のほうがはるかに高いというもの。
水木しげるは、神知る者とはいえないと思うが、身障者にして一流漫画家を長年やってきたので、それだけでも大変な努力であると思う。その彼が、この「水木サンの幸福論」は、「何十年にもわたって世界中の幸福な人、不幸な人を観察してきた体験から見つけ出した、幸せになるための知恵」だそうだから傾聴に値する。
いわゆる金言シリーズには2種あって、神知る者の金言と神知らぬ者の金言である。神知らぬ者であっても、人を内心うならせる言葉を言う人はたまにいるものであって、そうした人は人生上のとある機微を得ているのだろう。神知る者の金言とは、ベン・シラの箴言とかソロモンの箴言とかオーディンの箴言などのこと。
この努力ということについては、現代人には無視されがちなポイントが一つあるように思う。マンツーマン輪廻説の厳密性を疑問に思っている私ではあるが、「今生の努力は来生に継承される。今生の姿は前生の努力の結果が反映されている。」ということはあるのではないかと思っている。
典型的なのハタ・ヨーガ。ハタ・ヨーガでは、一生をかけて完璧な肉体を作り、来世ではクリヤ・ヨーガ、ラージャ・ヨーガなどのホンチャンの坐る冥想にチャレンジするというコースが一般的。勿論今生で完璧なボディが来れば、クンダリーニ・ヨーガなどの坐る冥想に進む。
また将棋で一流とされる8段クラスでは、平気で200手くらいは読むという。こういうのは今生だけの訓練でできるものなのか。
音楽家では極めて多作だったモーツァルト。作曲した作品数は900曲以上におよび声楽曲(オペラ、教会用の宗教音楽、歌曲など)と器楽曲(交響曲、協奏曲、室内楽曲、クラヴィーアソナタなど)のあらゆるジャンルにわたる。こういうのも今生だけの努力と訓練のたまものなのか。
人生の最初からこのような特定の傑出した才能に恵まれることを天才と呼ぶが、このような天才は傍目には突然出てきたかのように見えるが、今生で突然変異的に出てくることは決してなく、それ以前何回かの前世での努力の積み重ねの結果であるなどということをダンテス・ダイジがその談話で語っていた。
こんな仮説は証明不能ではあるが、ウィンター・スポーツの羽生結弦選手、宮原知子選手、浅田真央選手、高梨沙羅選手などの妙技を見るにつけ、今生だけの努力でこうなったのではあるまいと勘ぐってしまう。
水木しげるの金言では、努力が収入に変わるタイミングは今生ではないかもしれないが、人生の目的をどのへんに置くかが厳しく問われる言葉である。
一流の漫画家水木しげるの『水木サンの幸福論(角川文庫/水木しげる)』の中に幸福の七カ条というのがあり、その第五条が『才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。』というもの。この主旨は、努力したって成功するなんて保証は何もない。むしろ失敗する可能性のほうがはるかに高いというもの。
水木しげるは、神知る者とはいえないと思うが、身障者にして一流漫画家を長年やってきたので、それだけでも大変な努力であると思う。その彼が、この「水木サンの幸福論」は、「何十年にもわたって世界中の幸福な人、不幸な人を観察してきた体験から見つけ出した、幸せになるための知恵」だそうだから傾聴に値する。
いわゆる金言シリーズには2種あって、神知る者の金言と神知らぬ者の金言である。神知らぬ者であっても、人を内心うならせる言葉を言う人はたまにいるものであって、そうした人は人生上のとある機微を得ているのだろう。神知る者の金言とは、ベン・シラの箴言とかソロモンの箴言とかオーディンの箴言などのこと。
この努力ということについては、現代人には無視されがちなポイントが一つあるように思う。マンツーマン輪廻説の厳密性を疑問に思っている私ではあるが、「今生の努力は来生に継承される。今生の姿は前生の努力の結果が反映されている。」ということはあるのではないかと思っている。
典型的なのハタ・ヨーガ。ハタ・ヨーガでは、一生をかけて完璧な肉体を作り、来世ではクリヤ・ヨーガ、ラージャ・ヨーガなどのホンチャンの坐る冥想にチャレンジするというコースが一般的。勿論今生で完璧なボディが来れば、クンダリーニ・ヨーガなどの坐る冥想に進む。
また将棋で一流とされる8段クラスでは、平気で200手くらいは読むという。こういうのは今生だけの訓練でできるものなのか。
音楽家では極めて多作だったモーツァルト。作曲した作品数は900曲以上におよび声楽曲(オペラ、教会用の宗教音楽、歌曲など)と器楽曲(交響曲、協奏曲、室内楽曲、クラヴィーアソナタなど)のあらゆるジャンルにわたる。こういうのも今生だけの努力と訓練のたまものなのか。
人生の最初からこのような特定の傑出した才能に恵まれることを天才と呼ぶが、このような天才は傍目には突然出てきたかのように見えるが、今生で突然変異的に出てくることは決してなく、それ以前何回かの前世での努力の積み重ねの結果であるなどということをダンテス・ダイジがその談話で語っていた。
こんな仮説は証明不能ではあるが、ウィンター・スポーツの羽生結弦選手、宮原知子選手、浅田真央選手、高梨沙羅選手などの妙技を見るにつけ、今生だけの努力でこうなったのではあるまいと勘ぐってしまう。
水木しげるの金言では、努力が収入に変わるタイミングは今生ではないかもしれないが、人生の目的をどのへんに置くかが厳しく問われる言葉である。