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原典『救世主入門』

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◎何ものも救うことはできないし救う必要もない


原典『救世主入門』は、ダンテス・ダイジがアトランティス末期に流行させた韻文集であり、「十三番目の冥想 雨宮第慈講和録 渡辺郁夫編」に所載。

アトランティス末期には、救世主という言葉が流行語であり、言うなれば感情人間であったアトランティス人にとって何が問題であったかが、独特の質感をもった言の葉どもにより伝わってくる詩文である。

ただその内容の多くは、時間のない世界から出てきているものであるが故に、この知性人である現代人にとっても十分に通用するものである。

『何ものも救うことはできないし
救う必要もない
このことを頭によらずに理解したら
君は救世主であり
すべてを救うようにできている』
(十三番目の冥想 雨宮第慈講和録 渡辺郁夫編P103から引用)

家族や知り合いや他人が救いを求めるシーンに出くわすことはある。自分が思い切り素直であればよいが、あるいはそういうシーンに対する準備や心構えが平素からできていればよいが、そうでない場合は、ためらったり思い悩むものだ。阪神大震災や東日本大震災直後は皆がそういう思いだったと思う。

ところが、人間は人間である限り、本当に救済されることなどありえない。『このことを頭によらずに理解した』らとは、人間を超えることしかない。師匠は弟子を悟らせることはできない。馬を水飲み場に連れていくことはできても、水を飲むのは馬しかできない。

あまりにも平易すぎる言葉だが、その内容は深遠であり、気やすめを言っているわけではない。

ダンテス・ダイジの視野には、常に天国と地獄の結婚が入っているのだ。

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