Quantcast
Channel: アヴァンギャルド精神世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

トリックスターがやってきた

$
0
0
◎半ば面白半分、半ば悪意で大事件を起こす

今をときめくトリックスターがやってきた。その名はトランプである。娘も娘婿もユダヤ教なのでユダヤ色が強いと言われるが、それだけではない。トリック・スターとは、その時代の社会通念に照らして絶対にやってはいけないことをやってしまうのがトリックスターでもある。

スサノオノミコトは高天原秩序を乱しに乱し地上を真っ暗闇にし、北欧神話のロキは、殺してはいけない美しき神バルドルを殺す引き金を引いた。その他にディオニュソス、サテュルヌス、ヘルメス、東方朔などがある。

C.G.ユングの元型論に出てくるトリックスターの説明では、その性質として、半ば面白半分、半ば悪意がある狡猾ないたずらをする癖があり、変身の能力を持ち(他人や他の動物になりすます)、獣神的な二面性をも持ち、様々な拷問にさらされるが、最後には救い主の姿に近づく。ユングは、これの典型例が錬金術のメルクリウスだと言う。

トリックスターに共通して見られるのが、無目的な破壊とその結果に伴う苦しみだが、その過程で、トリックスター自身が救世主化していく。

トリックスターは常識的社会人にとっては余計な存在だが、神話などでこうした者が世界的に、広汎に登場してくるのはなぜか。それは、トリックスターは人間でいえばクンダリーニだからである。

クンダリーニの蛇は人間の生きる根源的なエネルギーであり、生命の燃え盛る姿であり、社会秩序は日常ではこうしたものを隠したりタブーとして見せないようにしているが、過去においては為政者は年に一回程度祭り(ハロウィン、ワルプルギスなどわいせつでやや破壊的暴力的な祭り)として、そのエネルギーをガス抜きする術を心得ていた。

共産主義社会、全体主義社会ではこうしたガス抜きはほとんど見られず、日本やアメリカのような高度な管理社会でもその鬱積する内的エネルギーを社会全体で圧力低下させようとするイヴェントはない。

その結果、日米欧の西洋近代文明国家では、セックス周辺に異常に関心が高まったり、性倒錯者が跋扈したり、薬物・ギャンブルへの依存者が増えたり、うつ病者が蔓延したりと精神のバランスを崩す人間が増えている。

さて古代神話中のトリックスター達は、その悪ふざけは、社会全体を変革することになってしまった。トランプは、救世主になるほどの心映えがあるとは思わないが、トリックスターが米国大統領として登場するというのは、そういうことが起こるというサインである。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

Latest Images

Trending Articles

<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>