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鹿島アントラーズの陽動作戦

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柳生宗矩の兵法家伝書

鹿島のプレーは故意にプレーの終わった後に引っ掛けるアフター・ファウルが多いのは伝統であり、それで鹿島はプレーが汚いといわれる。

鹿島アントラーズは、浦和レッズ戦になると、リードしている場合は必ず後半35分頃に、スポーツマンとしては考えられない陽動作戦を仕掛けてくる。

今回は、森脇の発言をだしにされたが、鹿島がリードしている場面で、選手から審判へのアピールが、後半35分頃から増えるのは毎度の組織的計画的であると見える。
前回のチャンピオンシップでの鹿島のリードしている場面では、やはり同じような時間帯に、選手ではなく、あろうことか鹿島の石井監督が執拗に審判に抗議をやめず、レッズファンには、審判がそれにとりあって、石井監督にカードも出さないこと(遅延行為、非紳士的)にあきれた人も多かっただろう。

こうしたやり口は、日本では、一般に『
卑怯、武士道的ではない。』などと言われる。

鹿島のこうした上品ではないやり口は、ジーコがもたらしたマリシア(ずるさ)の影響といわれる。

しかし、日本でも似たような教訓はある。
柳生宗矩の兵法家伝書から
『偽(いつわり)、皆真実となる

表裏は兵法の根本なり。
表裏とは、おもひながらも、しかくれば、のらずしてかなはぬ者也。

わが表裏をしかくれば、敵がのる也。のる者をばのらせて勝つべし。

のらぬ者をば、のらぬよと見付ける時は、又こちらからしかけあり。

然れば、敵ののらぬも、のったに成る也。

仏法にては、方便と云う也。真実を内にかくして、外にはかりごとをなすも、終に真実の道に引きいる時は、偽、皆真実に成る也。』

(拙訳)
表裏(計略)は兵法の根本である。本当の計略とは、これは計略だと思いながらも、しかけられるとそれに乗らずにはいられないものである。こちらから計略をしかければ敵が乗ってくるから、乗せておいて勝つがよい。

相手が乗ってこないときにも、乗ってこないと見極めがつけば、またこちらから次の計略をしかけることができる。これができれば、計略に乗らぬ敵をも、乗せたことになる。

これと同様のことを仏教では方便という。真実を内にかくし、外面では偽りを出す場合があるがこれも最後には真実の道に引き入れるのであるから、偽りもすべて真実となるのである。

この前の試合では乗った者が森脇であり、前のチャンピオンシップでは審判が乗ってしまったということになるのではないかと思う。

プロ・スポーツだから興行という側面はあるにせよ、ルールをぎりぎりに破るやり方は美しくはあるまい。

スポーツの美は、同じルールを素朴に守り日々地味にトレーニングしたアスリートのケレン味のないプレーの美しさであって、ルールをぎりぎりに破ることを狙い続けるやり方は、政治やインテリジェンスの世界なら常識だろうが、サッカーではどうなんだろうか。

ずるをしないのは、人と人の付き合いの根本。ずるをしても結果的に自分だけ勝てば良いというのは、日本の学校でも教えていないのではないか。

私は古い浦和レッズファン。Jリーグが発足当時は浦和レッズは最下位だったりした。王道を行くには、やはり正々堂々でないと。

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