ユダヤ教にも輪廻転生がない
◎個人主義と輪廻転生がない人生観 ユダヤ教にも輪廻転生がない。キリスト教と同様に死後の復活は、最後の審判前に釜の蓋が開いて一時的に復活するだけである。 輪廻転生とは時間のある世界でのことであって、それ自体真理か否かを問われる命題とは言えないものの、大衆宗教にあって、民衆が世界観、人生観を組み上げる素材としては無視できない。...
View Article早すぎた印可
◎良哉元明への印可 白隠は、臨済禅における天下の大宗匠ではあるが、いささか不徹底なところがあるのは否めない。自らを恃む気持ちが強すぎるせいだろうか。 良哉元明は、尾張出身の人。宮崎の大光寺の古月禅材禅師に参じて悟りを得て、次に静岡の松蔭寺の白隠に相見し、一目見て「文殊がやってきた。」と歓迎され、ここに居ること数年で、白隠の印可を得た。 良哉元明の近江での偈 「錦嚢の獅子児を活捉(かつしゃく)して...
View Articleヨナの徴(しるし)
◎ヨナは三日三晩、大魚の腹の中に在った 古来より占星術の好きな人はいるものだ。今は雑誌やネットやテレビの十二星座占文を読む人が多いが、なんといっても空を見上げ自分で星を見るに如くはない。 イエスの時代もパリサイ人とサドカイ人がやってきて、イエスに天空中に奇瑞を示してくれと言ってきたが、イエスは、「あなた方は天候の予測を空を見ていつもやっているのに、時代の兆しを見分けることはできないのか」と云い、...
View Article言葉と心 天の瓊矛なる舌
◎舌の剣を慎んで、慈愛の鞘に納める 舌は言葉の出どころである。この言葉は心より出る。だが舌こそは、大神そのものであるクンダリーニのエネルギー・コードたる天の瓊矛のことである。 太古、伊邪那岐尊および伊邪那美尊は、黄金の橋である天の浮橋に立たせたまい、天の瓊矛をもって海原をかき回し地上を創造した。その天の瓊矛が舌である。 天の瓊矛とは、北斗七星のことでもある。 (霊界物語第六巻18章)...
View Article移民受け入れ問題とベンシラの知恵
◎だれかれ構わず座敷ヘ通すな。 アメリカや中南米諸国のように移民で成立している国と東アジアや西ヨーロッパや日本のように移民がアウトサイダーである国では、おのずと移民の扱いは異なる。 中東や中国のように歴史的に、ほとんどどの時代にも食い詰めた人々が流浪していた国では、難民移民の扱いはおのずと厳しくなる。中国は、つい100年前まで、村全体で乞食ツアーを何百キロもするのがあたりまえのような国だったのだ。...
View Articleイチローは筋トレしない
◎冥想に必要なトレーニング イチローは40歳超えても外野からレーザー・ビームの返球を投げて捕殺する。驚くべき筋トレぶりかと思いきや、ウェイト・トレーニングはあまりやっておらず、ほとんどが柔軟体操とストレッチらしい。特に筋肉を付けるトレーニングはやっていないようだ。 その理論はライオンや虎は筋トレしないからというもの。...
View Article鹿島アントラーズの陽動作戦
◎柳生宗矩の兵法家伝書 鹿島のプレーは故意にプレーの終わった後に引っ掛けるアフター・ファウルが多いのは伝統であり、それで鹿島はプレーが汚いといわれる。 鹿島アントラーズは、浦和レッズ戦になると、リードしている場合は必ず後半35分頃に、スポーツマンとしては考えられない陽動作戦を仕掛けてくる。...
View Article湯川博士、原爆投下を知っていたのですか
◎大量殺戮なしで至福千年を迎えられるか 『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか/藤原章生/新潮社』は、広島原爆の3か月前に、湯川博士臨席のもとで、さる学者から広島への原爆投下を知らされた学者がいて、その学者の親が疎開したという話。 疎開した人には、広島に親戚がいたが、彼らには伝えなかったので(伝えられる時代の雰囲気ではなかった)、疎開できたのは、その話を聞いた本人の親だけだったという。...
View Article天国と求道者
◎天国は、畑に隠してある宝のようなもの 新約聖書マタイ伝13章から 『天国は、畑に隠してある宝のようなものである。人がそれを見つけると隠しておき、喜びのあまり、行って持ち物をみな売りはらい、そしてその畑を買うのである。 また天国は、良い真珠を捜している商人のようなものである。 高価な真珠一個を見いだすと、行って持ち物をみな売りはらい、そしてこれを買うのである。』...
View Articleタロットの宇宙
◎天の露 『タロットの宇宙/アレハンドロ・ホドロフスキー/国書刊行会』は、タロット好きによるタロットとともに生きる人たちのための本である。アレハンドロ・ホドロフスキーは、タロットの奥義を極めているように見える。...
View Article真夜中の太陽
◎黄金のろばと太乙金華宗旨 「黄金のろば」は、古代ローマの小説であって、結構読みにくい書きぶりの文章なのだが、どういうわけか当時の小説で長いキリスト教による思想統制を生き延びて全文が残っている極めてまれな文章だそうだ。 あらすじは、人間の青年ルキウスが、魔術の失敗で、心ならずもろばに変身し辛酸をなめるが、求道の心やまなかったので、最後はイシス女神のサポートよろしく人間に戻るという話。...
View Article女神ウェヌスの薔薇
◎生死を司る花 さて黄金のロバのルキウスの食べた薔薇は、女神ウェヌスの花。ウェヌスとはヴィーナスのこと ウェヌスは、女性性の象徴であり、甘い言葉であらゆる男を誘惑し、楽園へ連れて行っては彼を引き裂き、むさぼり食らう。 これは、彼女が生を与え死を司るという両義性を持ち、その姿は錬金術では、硫黄と水銀の結合である、両性具有のイメージとして現れる。...
View Articleメルクリウスとクンダリーニ
◎水銀、水、火 メルクリウスは、古代ローマではヘルメスと同一視され、冥界への導き手であり、精神と教養の神であり、死神でありかつ生の守護者であった。 錬金術文書では、水銀や水としてメルクリウスが登場し、手を濡らさない水、乾いた水、生命の水などと表現され、凡そ水銀でも水でもないものをメルクリウスとして表現している。その流動性だけを捉えて水銀や水と言っているだけのようだ。...
View Articleアルキドクセン
◎4つの秘薬 アルキドクセンとは、パラケルススの4秘薬の解説書。その4秘薬=4アルカナとは、 1.第一物質プリマ・マテリア 2.賢者の石 3.生命の水銀 4.ティンクトゥラ この4秘薬を用いて人はどうやって悟りに至るかということになる。 1.第一物質プリママテリア...
View Article奥義中の大奥義-1
◎神と悪魔になろうとすること 「大いなる神秘の鍵・エリファス・レヴィ」の奥義中の大奥義から。 『人格化された善、それが神である。 人格化された悪、それが悪魔である。 神の秘密あるいは知恵を知ることは、神となることである。 悪魔の秘密あるいは知恵を知ることは、悪魔となることである。...
View Article坐禅成就時
◎心身なきとき、たしかに知る、色即是空 江戸時代の禅僧至道無難は、白隠の先々代の師匠に当たる(至道無難→正受→白隠)。白隠と違ってその徹底ぶりは、見事なものがある。 至道無難の自性記から。 『六祖大師坐禅の次第。言句に及ばず有りがたきことなれども、童女の聞くには、及びがたき所あり。 予、御心を請けて、 坐禅 色々妄想起る時、つよく禅定にはいるべし。 清浄になる。 禅定の功徳なり。 坐禅成就時...
View Article天下に死霊ありて
◎霊に四種類あり 至道無難禅師の自性記から、霊がかりではない霊の話。 『ある人曰く、天下に死者の霊があって、人も家も亡ぶことは事実ですと。 私曰く、霊に四種類がある。 一に国の霊。国の霊は、昔の国主が、国を子孫に伝ヘようと思ふ念が残ったのだ。二に屋敷の霊。三に家の霊、城の場合も同じ。以上の三つは、その場所を去れば別に何といふこともない。...
View Article奥義中の大奥義-2
◎善と悪の統合 「大いなる神秘の鍵・エリファス・レヴィ」の奥義中の大奥義の続き。 『あらゆる死のなかでも最も迅速で恐ろしいものに身を委ねることである。 限度を超えて知ろうとする者に災いあれ。なんとなれば、過剰で無謀な知識は命を奪わずとも、正気を失わせるであろうから。...
View Articleキリスト教と善悪の結婚
◎善悪同格の罠 母性を欠いた三位一体モデルのキリスト教は、当然に女性的なもの、母性の補完を要求する。 キリスト教は善であり、母性はより物質や肉体に近いものであるが故に悪と位置づけられる。よって母性はキリスト教社会にあっては、闇であり、光の影であり、悪であり、錬金術や魔術などとして、キリスト教の底辺に連綿として存在し続けてきた。...
View Articleヒルデガルト・フォン・ビンゲンの生ける光
◎もうひとつの光 ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは、12世紀ドイツの修道女。幻視者の常として身体が弱く病気がちであった。 彼女は霊界宇宙を幻視したが、当時は天動説であり、物質界宇宙と霊界宇宙の区別もわからない時代。ただ彼女は光には2種あることをわかっていた。...
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