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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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パラケルススのあらゆる宇宙の滅亡

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◎神と人との合一について

悟る直前にはあらゆる宇宙が滅亡する。パラケルススは、そのことを、その文章だけ読んだのではわからないが、わかる人にはわかるみたいな書きぶりで、記している。

パラケルススは、かんしゃく持ちの気難しいお医者さんであって、時にその書いている文章からは聖性と全くかかわりのない医術パートもあるが、そのものズバリについて書かれたものも交じっている。

心理学者ユングが、パラケルススを高く評価しているのもこのせいかと思う。

パラケルススの「神と人との合一について」を見ると、現世の最後の時代には、裁きの日がやってきて各人はその犯した罪を問われ裁かれ、人は以後子を産むことはない。

というのは、裁きの後、人すべてとこの世が滅び去り、死すべきもの一切が消滅するからである。その後、死はなくなり宇宙は、永遠のパラダイスに変貌する。

この時、先の汚れたアダムは死に、第二の純潔なアダムが生まれる。キリストとは第二のアダムのことであり、永遠のパラダイス=千年王国に生きる人も、キリストと同様の業を行うようになる。この時、一人の羊飼いのもとにすべての群れが一つとなるとは、出口王仁三郎あたりの言う181位階のことだろうと思う。

そして現宇宙は火によって焼き尽くされ、そこにあった万象は一つとして存続するものはなく、エレメントも星辰もその中にあるものもすべて消滅する。そしてすべてが新たなものに作り変えられる。不死なる者だけが復活し、永遠に存在する。

パラケルススは最初に、裁きの日にはノアのような大洪水が起こるのではないと断っているので、この世界観は、神が人と万象に展開する世界全体の滅亡と復活のことだとわかる。

要するに、肉体と欲望の世界と意識の世界、無意識の世界全体のことを言っているが、ここでいう意識の世界、無意識の世界とは、心理だけのことでなく、世界を生成化々させている姿・パワーのことでもある。

『参考:キリスト教神秘主義著作集 第16巻 近代の自然神秘思想 教文館 パラケルスス 神と人との合一について』

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