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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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時間が流れない現実認識

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◎一つながりのもの、一気、アートマンでの逆転

この一つながりのもの、古代中国では一気というのだが、これには過去、現在、未来が含まれ、空間、時間、物質が含まれる。

我々は、時間が流れるというのが、当たり前とされる現実認識に生きているのだが、それは絶対的なものではない。

すべての現象、すべての人間、すべての生物、すべての無生物は、一気の中に含まれ、かつそこには、今ここしかない。

今ここ或いは一気は、あらゆる過去の結果であり、今ここはあらゆる未来の原因でもあるのだが、こういう現実感覚はなかなか頭の訓練材料としても題材は少ない。

一つは、蛇であって、自分の頭を咥えているウロボロス

旧約聖書では、まずいきなり神が出て、なんと天地を創造し、光と闇を創り出し、七日間の創造ということで、いきなり二元で始まり、一気・いまここ・アートマンなどないかの如く始まる。これは怪しい。

古事記では、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三柱の神が独神として最初に出現して、身を隠す。この段階では、一気も何もない。これは禅の十牛図では第八図のなにもかもなし。

だがさらに古事記では、独神が二柱続く。それが宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじ)と天常立神(あめのとこたちのかみ)。この二柱の神は葦牙(あしかび)のように萌え騰(あ)がれるものによってできたとされるので、これが一気に当たるのだろうと思う。

これは禅の十牛図では、忘牛存人

ここでなんだかわかった気になるのだが、過去、現在、未来が含まれ、空間、時間、物質が含まれ、現在しかない現在が変動している。あるいは、今ここしかない万有が、過去も未来もなく戯れているというのは、なかなか想像しづらい。

映画マトリックスの最初の巻では、新のワールドと偽のワールドがあるのだが、見ている自分をなくさないので、一気=アートマンには肉迫できていない。

どうしてもYoutubeや映画のように人間は自分の人生を動画として観てしまう。だから危急時に一瞬で全人生を回顧するパノラマ現象があり、死後の閻魔大王の面前では人生回顧ドラマを見せられる。

高粱一炊の夢でも回顧シーンの尺は短いが、それは過去でなく将来のダイジェストだった。

その動画が出てくるライブラリーが一気=アートマンであることはわかるが、世界の認知が時間が止まってしまったままになるということも逆転、顛倒の諸相の一つなのだろう。

そしてその世界認知にあっては、すべてが見知らない。そして透徹した孤独。

そういう詩や述解を至るところで目にしてきた。

一つながりのもの、一気、アートマンでは、逆転するとは、そういうことなのだろう。


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