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あらゆる生物・無生物の生と死の記憶

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◎縁起、シンクロニシティ

現代は、万人が悟りを得る時代、アクアリアン・エイジである。その万人が悟りを得るには、万人が既に精神の十分な成熟を終え、覚醒する準備ができていなければならない。

その準備について、マンツーマン輪廻で人数が間に合っているのかという素朴な疑問がある。

仏教で縁起というと、いかにもとっつきにくいが、それは今はやりのシンクロのことである。

そうすれば、悟りに到達できるかという条件を考えると最後に問題になるのは、如来、来るが如しというが、いつ来るのか、来てくれるのかということと、精神的成熟の問題である。

世界の一切は直接にも間接にも何らかのかたちでそれぞれ関わり合って生滅変化しているが、これを心理学者ユングはシンクロニシティと呼び、釈迦は縁起と見た。シンクロニシティでは、世界のわずかなパーツしか見ていないのに対し、縁起では世界全体の事象の連関を見ているという違いがあるだけである。

悟りに至るのも縁起という側面はあるのだろう。どうすれば、その瞬間が到達するのだろうかと言えば、準備ができた時である。何をもって準備ができたときとするのか。それはおそらく人間としてあらゆる実感を体験した時である。

万人が、無生物から生物まで、あらゆる実感を体験するにはどのくらい時間がかかるのだろうか。

例えば釈迦前生譚ジャータカで、釈迦が前世で経験した生物は、隊商、財官、バラモン、農夫、鹿、牛、鼠、猿、うさぎ、象、とかげ、ライオン、おうむ、樹神、海神などであるが、こうしたものすべての生の実感を得るには、マンツーマン輪廻したとして、何万年もかかるのではないか。

釈迦前生譚ジャータカは、基本的にマンツーマン輪廻が基本で流れる。一方、万人が悟る時代とは、文字通り万人があらゆる無生物から生物までの実感を得るということで、マンツーマン輪廻ベースでは、万年の単位では全然足らないかもしれない。億年レベルでもどうか。

現在地球人口は70億であって、2千年前も70億だったら、覚醒の準備ができあがる年数は短いが、2千年前の地球人口が2億人だったら、その所要時間は更に長い。

アクアリアン・エイジ、みずがめ座の時代とは、万人が悟る時代のことであるけれど、そのためには万人があらゆる実感を経ることが条件ということになっていく。

よって、あらゆる実感を経るとは、物理的時間で言えば、人間の時間感覚を超える。天女が一辺40里の岩を百年に一度、天女が舞い降りて羽衣で撫で、 岩がすり切れてなくなってしまうまで を一劫とするが、そういう時間感覚のこと。したがって、この21世紀初頭までに、万人、いや70億人があらゆる実感を経るための生を繰り返し終えると言うのは、事実上不可能なのだと思う。

要するに70億人が覚醒の準備を完了するためには、マンツーマン輪廻転生では、あまりにも時間がかかりすぎるのではないかということ。

70億人が覚醒するというのは、自明の前提ではなく、預言者達の幻想なのかもしれないが、敢えてそこをゴール地点として、逆算するとマンツーマン輪廻転生説の限界が見えるということ。

そうしてみるとあらゆる実感を経るとは、文字通りあらゆる生物無生物の生を生きるということでなく、「あらゆる生物・無生物の生と死の記憶」を味わうというというようなことを言っているのではないかと思う。味わい方には勿論深浅高低があるだろう。

それを促進していくのが冥想なのだと思う。

さて、ほとんどの人間が悟るということを前提にすると以上のようなことになるが、その前提を前提と見れるかどうかは、個々人の感性による。

だが、それを前提としなくとも、人口が2千年かけて2億から70億に増加したということだけでも十分にマンツーマン輪廻転生説の疑義たりえる。マンツーマン輪廻転生の場合、人口の増加に対し、魂の供給が追いつかないからである。

◎エクスタシス 夢の夢なる-36
◎現代文明あるいは現代人のウィークポイント-25
◎マンツーマン輪廻への疑義-4

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