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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ドン・ファン・マトゥスがアメリカ・ライオンに追われる

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◎真っ暗闇の絶壁を登り切る

1961年8月末、カルロス・カスタネダは、ソーマ・ヨーガのマスターであるドン・ファン・マトゥスの指導の下にフィールド・ワークを行っていた。

さる断崖絶壁の下で、カスタネダは、ドン・ファンの指導の下に、アメリカ・ライオン(ピューマ)を仕留めるための枝と釘で作った罠を造った。

二人は、木の上に居てアメリカ・ライオンが罠にかかるのを待ちかまえていた。

カスタネダは、アメリカ・ライオンに見つからないようにするために、木と同化せよと命じられた。

意外なことにカスタネダは、ライオンが来てわなにかかりそうになったら荷物を投げつけろと命じられた。

夜半にアメリカ・ライオンがやってきた。カスタネダは、言われたように荷物を投げつけると、驚いたアメリカ・ライオンは遠くに馳せ逃げた。

ドン・ファンは、アメリカ・ライオンは馬鹿ではないから、しばらくしたら必ず戻ってくる。そして、わしらの跡をつけてくるので一刻も早く、ここを離れなければならないと言った。そして暗闇の中を走り出した。カスタネダは、枝から眼を守りながらついていくと断崖絶壁の前に出た。

ドン・ファンは、ライオンにつかまらずに絶壁のてっぺんまで登り切れば助かると言って、二人は闇の中を一歩一歩登り始めた。頂上に近くなって、妙な動物の鳴き声が聞こえた。

ドン・ファンは、登れ、登れとせかしたので、真っ暗な中、カスタネダはドン・ファンより先に登り切ったほどである。

ハーハー言いながら、ドン・ファンは、それを大笑いした。

二人は数時間、何も話さずに座り込んだ。
(イクストランへの旅 呪師になる/カルロス・カスタネダ/二見書房/P158-173から要約)

ドン・ファンは、ソーマ・ヨーギながら、ソーマをきっかけにしか使っていない。よってその言葉は、クンダリーニ・ヨーギのようである。

だからカスタネダの心象描写をあまりあてにしてはならないということでもあるが、カスタネダの試行錯誤の後を辿ることなくして、彼の進んだルートを再確認することはできない。

真っ暗闇の絶壁を登り切るのだ。

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