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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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老子の御者が2百歳の寿命を失う

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◎太玄生符

老子が牛に乗って御者徐甲と函谷関に差し掛かると、関守の尹喜が礼を尽くして、事前に老子が来ることを幻視し待ちかまえていたことを説明すると、老子は、その官舎に留まることを承諾した。老子はそこに百余日滞在して内丹外丹のすべての修練の法を伝えた。

御者徐甲は、一日百銭の賃金で今日まで雇われ、函谷関までの賃金累計はすでに730万銭になっていた。老子は西国に行けば黄金も豊かなので賃金も10倍にして払うという約束でどこにも立ち寄らず函谷関に来たが、牛を放って草を食べさせる徐甲を見て試してやろうと思った。

老子は傍らの吉祥草を一人の美少女に変じて徐甲に種々甘い言葉をかけ戯れさせると、徐甲はこの美女の色香に迷い、前日までの約束を忘れ、老子にしきりにここに滞在しましょうと勧める。その上彼は関所の役人に老子が賃金を払ってくれていないことを訴え出た。

老子はこれを見て、お前を雇って既に2百年になるが、もうとうの昔に死すべき人間であったところを、私が不憫に思って太玄生符を与えて、今日まで延命させてきたもの。

ここで私を訴えて無法にも賃金を貪るとは実に見下げ果てた奴、思い知らせてやると言うと、徐甲の口から太玄生符が飛び出して、徐甲は忽ち解体して白骨となってしまった。

これを不憫に思った尹喜が老子に蘇生を勧めると、老子が白骨の上に太玄生符を投げ、徐甲は蘇生したので、尹喜が約束通りの賃金を払い、いろいろと労って、関所から帰してやった。

太玄生符はクンダリーニのエネルギーコードのようなものだろう。
老子は尹喜との別れに当たり、関所を出て天地の間を遊ぶのだと宣言するのだが、まことにリーラである。

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