◎国や社会や集団や組織の論理と求道
項羽と劉邦でお馴染みの項羽は、兵に本気を強いることで、四、五倍の人数の敵を何度も打ち負かした。また川を背にして陣を敷き、兵に勝つしか生き延びる道はないと分からせて、憤志を起させ敵を打ち破る作戦は歴史上何度も実例がある。
彫刻、工芸品などでよく言われるのだが、中国の工芸品で精巧なものは、日本のそれと違って、ある種の緊張感がある、と。それは、駄作を出そうものなら、命がなくなるからである。
わが国の特攻隊は、国家神道という社会からの強制圧力をバックボーンに敵艦に必死の攻撃を為さしめた。
要するに国や社会や集団や組織の論理で、わが命まで賭けて危険なことをさせるのは、大は以上のような実例から小は上司の厳しい指示まで、枚挙に暇はない。オウム真理教事件だって似たようなところがある。
だが、悟りを求める道では、こうした外部からの作為的な本気では届かない。だから悟りボックス、悟りマシーンはあり得ない。
禅家の香厳は、瓦礫を投げたら竹に当たった音で悟ったが、その背景の無心が発生したところの本気は自然にあふれ出たもの。
毎日、仕事を精密にやることで大悟に至る事上磨錬。それは、いわば職人気質の極み。この時代はマニュアル全盛だが、自然な本気の淵源である職人気質を壊しているのがマニュアル全盛ではある。
本気に至るシーン、シチュエイションは、求道にあっては作為があってはいけないのだ。
項羽と劉邦でお馴染みの項羽は、兵に本気を強いることで、四、五倍の人数の敵を何度も打ち負かした。また川を背にして陣を敷き、兵に勝つしか生き延びる道はないと分からせて、憤志を起させ敵を打ち破る作戦は歴史上何度も実例がある。
彫刻、工芸品などでよく言われるのだが、中国の工芸品で精巧なものは、日本のそれと違って、ある種の緊張感がある、と。それは、駄作を出そうものなら、命がなくなるからである。
わが国の特攻隊は、国家神道という社会からの強制圧力をバックボーンに敵艦に必死の攻撃を為さしめた。
要するに国や社会や集団や組織の論理で、わが命まで賭けて危険なことをさせるのは、大は以上のような実例から小は上司の厳しい指示まで、枚挙に暇はない。オウム真理教事件だって似たようなところがある。
だが、悟りを求める道では、こうした外部からの作為的な本気では届かない。だから悟りボックス、悟りマシーンはあり得ない。
禅家の香厳は、瓦礫を投げたら竹に当たった音で悟ったが、その背景の無心が発生したところの本気は自然にあふれ出たもの。
毎日、仕事を精密にやることで大悟に至る事上磨錬。それは、いわば職人気質の極み。この時代はマニュアル全盛だが、自然な本気の淵源である職人気質を壊しているのがマニュアル全盛ではある。
本気に至るシーン、シチュエイションは、求道にあっては作為があってはいけないのだ。