◎平野歩夢が夢から歩み出た
(北京五輪・スノーボードの男子ハーフパイプ決勝(2022年2月11日))
2回目のランの結果は、オーストラリアのスコット・ジェームズの92.50に対し、平野歩夢が最高難度のトリプルコーク1440を組み込んだ構成を成功させたにもかかわらず、91.75と2位に留まり、世界中からも低採点すぎるという批判も集まったほど。
こうした中、通常であれば、審判団に対する怒りと自分への疑いとそこから来る弱気が次のランを台無しにするものだが、3回目ではその怒りを完璧さに変え、2回目のランを上回る精密なランを見せ96.0のハイスコアを叩き出し、不審な評価をした審判団さえ異論をさしはさめないスコアで大逆転勝利を得た。
平素の練習では、ランのイメージを想念として確固たるものに作り上げ、それを身体にて現実化できるように繰り返し繰り返し深めて行く。観想法だ。ところが、実際のハーフパイプでは、滑走路の傾斜、深度、氷の状況、風、試合全体の流れ、そして心理の揺らぎなどあり、練習の時とは状況が全く異なる。
平野歩夢は、第二回の試技で2位に留まり、追い詰められていた。これを、彼の言うところの「怒り」の一押しで、夢なる理想のラン、完全なる滑走と飛翔が現実化したのだ。最後の一歩は、人間自身が踏まねばならない。
平野歩夢は21世紀のかもめのジョナサンになった。
※かもめのジョナサンも何度も練習を繰り返し、理想の飛翔を実現してかもめを超えて行く話。1970年代のベストセラー小説。
(北京五輪・スノーボードの男子ハーフパイプ決勝(2022年2月11日))
2回目のランの結果は、オーストラリアのスコット・ジェームズの92.50に対し、平野歩夢が最高難度のトリプルコーク1440を組み込んだ構成を成功させたにもかかわらず、91.75と2位に留まり、世界中からも低採点すぎるという批判も集まったほど。
こうした中、通常であれば、審判団に対する怒りと自分への疑いとそこから来る弱気が次のランを台無しにするものだが、3回目ではその怒りを完璧さに変え、2回目のランを上回る精密なランを見せ96.0のハイスコアを叩き出し、不審な評価をした審判団さえ異論をさしはさめないスコアで大逆転勝利を得た。
平素の練習では、ランのイメージを想念として確固たるものに作り上げ、それを身体にて現実化できるように繰り返し繰り返し深めて行く。観想法だ。ところが、実際のハーフパイプでは、滑走路の傾斜、深度、氷の状況、風、試合全体の流れ、そして心理の揺らぎなどあり、練習の時とは状況が全く異なる。
平野歩夢は、第二回の試技で2位に留まり、追い詰められていた。これを、彼の言うところの「怒り」の一押しで、夢なる理想のラン、完全なる滑走と飛翔が現実化したのだ。最後の一歩は、人間自身が踏まねばならない。
平野歩夢は21世紀のかもめのジョナサンになった。
※かもめのジョナサンも何度も練習を繰り返し、理想の飛翔を実現してかもめを超えて行く話。1970年代のベストセラー小説。