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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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二十三四歳の出口王仁三郎愛犬を死なす

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◎真実に対して徹底した性格-3

二十三四歳の頃、出口王仁三郎の飼い犬が発病してびっこをひき、百日余りで斃死した。
井上獣医は気管支炎と診断したが、王仁三郎は心臓糸状態虫(フィラリア)と断じた。
南陽寺の飼い犬なので、境内の墓地に住職が手厚く葬った。

王仁三郎は、斃れた犬の病状を探ろうと闇夜の墓地に忍んでいった。照明をつけて犬の墓を掘り解剖服にてメスを振り、心臓部目がけて解剖刀をぐさりとさせば髪の毛がよだった。
心臓を解剖すると糸状虫がウヨウヨとしてわいていた。だが「獣医にわれは勝てり」と会心の笑みを夜間にもらした墓地。灯りに照らされて笑う出口王仁三郎の顔を寺の小僧が便所からながめて驚いていた。心臓をえぐり出して新聞紙に包み、ふたたび死骸を葬った。

出口王仁三郎は、切り取った心臓を家に持ち帰り、井上獣医の目の前に出した。すると彼は、烈火の如く憤ってコン畜生とこぶし振り上げた。診察を誤った井上獣医が却って王仁三郎に毒づいたのだ。
井上獣医は、「コン畜生木っ葉野郎」といいながら棍棒ふり上げて殴ってきた。出口王仁三郎は、一斗の大豆の桶を手にその棍棒受けたはずみに桶はひっくり返り一斗の豆が庭に散らばり、二人してつぶやきながら拾い集めた。
(出典:出口王仁三郎全集第8巻 わが半生の記/故郷の弐拾八年/解剖)

愛犬の病名の見立てを獣医が誤ったので早死にしたという疑惑があって、その悔しさから、もともと解剖の心得も経験もない出口王仁三郎が、愛犬の心臓を墓から掘り出して獣医に突きつけるという陰惨な図。

だが真理に対し、そこまで真摯に真っ向から取り組むという一本気な姿勢に驚かされる。
この執拗さと訳のわからないものに正面から向かう姿勢は、クンダリーニ・ヨーギ(古神道家)には必要なものである。

ダンテス・ダイジは、その姿勢について、『人がたとえ皆逆立ちして見えても、足に向かって話し掛ける冷静さを持つ人だけが、クリヤ・ヨガのブリザードを突破できる』と示唆している。

チベットの死に行く者への作法では、脈拍の弱まり、呼吸の低下の中で、意識をはっきり(清明に)持つようにと導師が耳元で繰り返す。肉体機能停止、エーテル体機能の弱体化、アストラル体の分離と進む中で、事態、特に原初の光を正確に認識させるために。

さらに大本神諭では、「余り一度に何彼の事が判りて来て、逆立ちに成ってヌタクラナ成らん如うになりて来たぞよ。」(大正6年旧11月23日)
と「八つ」が逆転、逆立ちであることも示す。

出口王仁三郎は、この冷静な耳を八ツ耳と称する。

耳も目も口鼻もきき手足きき 頭も腹もきくぞ八ツ耳

顕の八ツ耳とは、
手が利く、耳が利く、目が利く、鼻が利く、口を利く、腹が利く、舌で酒を利く、腰が利く。

幽の八ツ耳とは、神眼、神耳、天言等。
幽顕十六耳のシンボルとして十六菊の御紋章がある。錦の御旗が十六菊の御紋章であることは、古神道の悟りを国民に求めていることを示す。経済的メリットと便利優先を棄てて冥想を。

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