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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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人間の評価、勲章、爵位、印可

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◎三国同盟

三国同盟は、日中戦争と欧州大戦を連動させ、結局米英を敵国として日本を戦わしめた決定的な事件。大島浩は、軍人にしてA級戦犯となった。

2022年9月21日のNHKの番組『昭和の選択「破局への条約 三国同盟 ~松岡外相と影のキーマン大島浩~」』で、最後に昭和天皇が、軍人らのことを下剋上で云々と評していたこと、磯田先生が軍人の爵位への執着について言及していた。曰く半藤一利は、軍人で爵位を取れるのは長州であって、それ以外はうまくいかないという現実が当時はあったらしい。長州でなかったので大島浩は中将にまで成ったが、結局爵位には届かなかった。

放送ではこの程度で、この点はあまりこれ以上突っ込まなかった。軍人は爵位をもらうためには、出世を狙う。出世するためには新たな戦争を起こせば、それがチャンスとなり、戦争は途中不調でも国民や兵隊の犠牲が大きくても勝つまでやれば出世できる。だから往々にして軍人は、戦争は継続方針、拡大方針となり、終戦できない。

ところが日本には戦前は、軍内でも官僚でも政治の世界でも長州の壁があった。賊軍藩の出身だと、官僚として出世できない。戦前は総理大臣では岩手県の原敬が出るまで、賊軍藩出身者は1人もいない。ほとんど長州と薩摩出身者で占められている。特に長州出身首相は次のように8人を数え、任期の長い首相が多い。伊藤博文 、山縣有朋 、桂太郎、寺内正毅、田中義一、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三。

そして、明治期に爵位が与えられて華族になったのも、公家や殿様を除けば、薩長出身者が突出して多く、公爵と侯爵では全部が長州と薩摩。

戦前は、政官軍の世界で、賊軍藩出身の人は冷遇されていたため、上に上がれば上がるほど苦労した、その例の一つが大島浩。

戦後もなぜだか知らぬが長州が政治を牛耳っている。見えない地縁のバリアである。世俗の世界では、権力を公認されたシンボルとして勲章がある。いうまでもないがそれは、人の善悪や悟っているかどうかとは全く関係がない。だが勲章欲しさに多くの人が公益を枉げることがある。

さて禅では印可といって、師匠が弟子に対して悟ったという証明書を出す場合がある。だが、それがないと世間を渡って生活をしていきにくいなどと考えるようでは、そもそもその悟りは怪しい。
だから一休が印可を焼き捨てたことが珍しいなどと世に伝えられる。

人は、勲章も持たず死んで行き、印可も持たず死んで行く。それを前提に、絶対的な何かを持って生きるべきなのだ。

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