中国の在外秘密結社

◎中国本土の延長線にあり

関東以東で生まれ育った人間には想像もつかないことだが、関西では生活の至る所にヤクザ的な組織が根をはっているというのはよく聞くところである。そうした点では大阪や特に京都がひどいとも聞く。

しかしこうした秘密結社的なものが生活に入り込んでいる程度では、中国人社会に比べれば日本ははるかにかわいいものだと思う。

1937年に書かれたフレデリック・ヴィンセント・ウィリアムズの『中国の戦争宣伝の内幕』（芙蓉書房出版）を見ると、戦前の在米チャイナタウンでは、三合会トライアドなどの秘密結社＝堂（トン）が複数あって、秘密結社同士で闘争をするは、麻薬を扱うは、暗殺団をかかえて殺し合いをするは、奴隷少女の密売をするは、で当時から白人社会の怒りをかっていた。

ところが、ウィリアムズが、中国本土で取材を進めるにつれ、そうした現象は在米チャイナタウンに特有の現象ではなく、中国本土では、そうしたみかじめ料徴収、麻薬取引、殺人、人身売買が、極めて大規模に行われていることに気が付いた。（みかじめ料を払わず、どの秘密結社にも入らない中国人ビジネスマンは、殺されても文句を言えないそうな。）

チャイナタウンで行われているこのような、馬を売買するように少女を売買する、麻薬取引での結社同士の抗争で殺人を犯しても罪に問われない、などのことは、中国大陸でごく普通に行われていることの縮小版であって、アメリカ特有の事象ではなかったのだ。

かつて天安門事件の学生指導者の一人のウーアルカイシーなどが、秘密結社の手引きで香港に脱出したなどという新聞記事があったが、現代にあっても中国の秘密結社はその程度のことは簡単にできるし、反共産政府的なことまでやるということだろう。

18Ｋや22Ｋは金含有率のことだが、十四Ｋが中国の秘密結社の一つだなどというのは普通知らない。こうした秘密結社は、表面的には平和的な団体を装っているそうだ。こうした掟は世界共通なのだろうから、池袋や新大久保を歩く時は、そういうこともあるかもしれないと思って歩かないとね。

中国人は単に性格が食えないし、日夜日本人が不愉快になるニュースを提供してくれるだけではない、そら恐ろしいバック・ボーンを持っているのだ。

悟りとは何か