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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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主を畏れる者は不幸に見舞われない

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◎ベン・シラの言葉−2

ベン・シラの言葉は、世俗の処世訓に見せかけて、その実最も深い所から出て来る真理を至るところに忍ばせている。とおりいっぺんに、字義どおりにだけ受け取っていては、本当の味わいを知らずに終わる。

その点で、これは北欧オーディンの箴言に調子が似ている。そういう語り口をベストとする読者は現代人だろうか、当時の人だろうか、どちらでも可だろうか。

『一
主を畏れる者は不幸に見舞われない。試錬にあってもたびたび助け出される。


知恵ある人は律法を毛嫌いしない。これをふまじめに扱う者は嵐のなかの小舟に以ている。


悟りある人はみことばを信頼し、律法は彼にとっては神託と同じくらいに信用がおける。


語るべきことを準備し、それから聴いてもらえ。自分のありったけの学識をあげて応答せよ。


愚者の気分は馬車の車輪であり、彼の考えは心棒のようにぐるぐるまわる。


口の悪い友人は種馬に似ていて、だれが背中に乗っていてもいななく。


一年のどの日をとっても太陽から光を得ているのに、ある日が別な日より重きをなすとはこれいかに。


これは主の決定による区別であり、彼は時節と祭日を区分された。


彼は一部を格上げして聖日とし、他を平日と定められた。

一〇
人間はすべて大地から出ており、アダムは土から創られた。

一一
主は豊かな知恵をもって彼らを区別し、それぞれの道に変化をもたせられた。

一二
彼は、ある者は祝福してたかめ、聖めて自分の近くに引き寄せられたが、
他の者は呪っておとしめ、その地位をとりあげられた。

一三
陶工の手中にある粘土が彼の好みに応じて練りあげられていくように、
人間もその造り主の手中にあって、彼の判断に応じていろいろなものをあてがわれる。

一四
善が悪に、生命が死に対するように、罪人は敬虔な者に対する。

一五
このように、至高者の全作品を眺めてみよ。
ふたつずつ一対一になっている。

一六
わたしも最後まで目を醒ましていた。』
(聖書外典偽典2 教文館/P158−159から引用)

ふたつづつ一対一になっているということは、強きものはやがて弱きものとなり、弱きものはやがてつよきものとなり、上のものは下になり下のものは上になり・・・に展開していく。

人はこうした世界のいろいろな出来事の転変を目の当たりにしていながらも、その機根によっては、何が起きているかをきちんと理解できていないものだ。
が、べン・シラは、最後まで目を覚まして理解していたのだ。






悟りとは何か

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