◎宇宙の帝王ジヌーなど
サイエントロジーの有力信者に、俳優トム・クルーズやジョン・トラボルタがいるが、先ごろ教団の内情暴露映画「ゴーイング・クリア」が発表されている。
サイエントロジーでは、全コースをクリアするには、数百万円かかるとも言われ、その布教手法は、自己啓発セミナーによく似ている(最終レベルは“クリア”の段階)とされるが、この映画では、教団の教義の核心が、宇宙の帝王ジヌーのトラウマにあったということで戯画化されている由。
『「7500万年前、宇宙はジヌーという邪悪な帝王に支配されていた。人口が増えすぎたのでジヌーは手下の精神科医を使って人々を睡眠薬で眠らせて冷凍し、輸送機で太古の地球まで運搬し、火山の火口に投げ捨てて水爆で爆破して殺した。その人たちの魂はジヌーに洗脳されて、地球人類の中に入っている。その洗脳を解くのがサイエントロジー」(町山智浩『教科書に載ってないUSA語録』文春文庫)』
こうしたSF的プロットを教義の中心に据えるので、テレビ・ゲーム的などと言われるのだろうが、古神道だって、「わや」にされた古事記を根本経典として用いているのだから、五十歩百歩である。聖書を根本経典とするキリスト教だって信者の大半が悟っていないとくれば、教義の中心であるイエス殉教の物語の効果には疑問符を打たれても仕方ない。
教義を根本に据える組織宗教は、カルトであろうが伝統宗教であろうが、どうしても霊がかりな色彩を帯びる。そこでその反作用として、あるいは進化形として、禅みたいな直接の「体験とは言えない体験」を宗教性の本質として提示する宗教が出て来る。OSHOバグワンの最終講義が「禅宣言」であったのは、このアクアリアン・エイジ(みずがめ座の時代)に最適な宗教形態が、こうした禅タイプのものであることと符合するのは偶然ではない。
サイエントロジーの創設者L・ロン・ハバードは、でSF作家であったことを表面に出すが、L・ロン・ハバードが神を知る者かどうかというのがキーとなる。
(続く)
サイエントロジーの有力信者に、俳優トム・クルーズやジョン・トラボルタがいるが、先ごろ教団の内情暴露映画「ゴーイング・クリア」が発表されている。
サイエントロジーでは、全コースをクリアするには、数百万円かかるとも言われ、その布教手法は、自己啓発セミナーによく似ている(最終レベルは“クリア”の段階)とされるが、この映画では、教団の教義の核心が、宇宙の帝王ジヌーのトラウマにあったということで戯画化されている由。
『「7500万年前、宇宙はジヌーという邪悪な帝王に支配されていた。人口が増えすぎたのでジヌーは手下の精神科医を使って人々を睡眠薬で眠らせて冷凍し、輸送機で太古の地球まで運搬し、火山の火口に投げ捨てて水爆で爆破して殺した。その人たちの魂はジヌーに洗脳されて、地球人類の中に入っている。その洗脳を解くのがサイエントロジー」(町山智浩『教科書に載ってないUSA語録』文春文庫)』
こうしたSF的プロットを教義の中心に据えるので、テレビ・ゲーム的などと言われるのだろうが、古神道だって、「わや」にされた古事記を根本経典として用いているのだから、五十歩百歩である。聖書を根本経典とするキリスト教だって信者の大半が悟っていないとくれば、教義の中心であるイエス殉教の物語の効果には疑問符を打たれても仕方ない。
教義を根本に据える組織宗教は、カルトであろうが伝統宗教であろうが、どうしても霊がかりな色彩を帯びる。そこでその反作用として、あるいは進化形として、禅みたいな直接の「体験とは言えない体験」を宗教性の本質として提示する宗教が出て来る。OSHOバグワンの最終講義が「禅宣言」であったのは、このアクアリアン・エイジ(みずがめ座の時代)に最適な宗教形態が、こうした禅タイプのものであることと符合するのは偶然ではない。
サイエントロジーの創設者L・ロン・ハバードは、でSF作家であったことを表面に出すが、L・ロン・ハバードが神を知る者かどうかというのがキーとなる。
(続く)