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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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戦争を繰り返してきた欧州

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◎宗派対立の終焉

ロシア正教会は2016年2月5日、最高位のキリル総主教がフランシスコ・ローマ法王と今月12日にキューバの首都ハバナの空港で会談すると発表した。古くは、宗教対立は財産の分割となり、それが原因で戦争になった。こうした動きが世界平和への無数の流れの一つになればよいが。

1517年、ルターはローマ教会に抗議してヴィッテンベルク市の教会に95ヶ条の論題を打ちつけ宗教改革がスタートした。宗教改革がきっかけで、ハプスブルグ家のカトリックによる欧州制覇の思惑と各王家の利権争いが相乗して、その後150年ほどは、ドイツ騎士戦争(1522年 - 1523年)、30年戦争(1618年–1648年)など欧州は戦乱に明け暮れる。

同時に火薬兵器がこの時代に飛躍的に改良を繰り返して、最後には火薬兵器は城砦に守られた君主の安寧を無に帰した(石の城壁は火薬で爆破できる)。おかげで今や城砦は、観光の対象でしかない。そのおかげで、イタリアやドイツフランスの都市国家は消滅した。

1701年には、ハプスブルグ家の相続がらみでスペイン継承戦争(1714年まで)が起こり、これは欧州大戦と呼ばれた。更に19世紀にはナポレオンが欧州制覇を目指してロシアまで戦線を伸ばし、20世紀には、欧州全体が二度の世界大戦の戦場となった。

16世紀のイングランド王ヘンリー8世は、戦費調達のために教会や修道院の財産を没収したように、宗教とは経済であり、宗教対立は経済利権の対立でもあり、それに各王朝や各国家の思惑がからんで戦争となる。

一方軍事には、その時代の最新技術が投入される。16世紀以降の欧州では戦争が繰り返されたために、火薬兵器の進歩改良ニーズが高く、火薬兵器が進化しては実戦となり、また進化しては実戦となり、そのサイクルが20世紀に至り、充実した海洋戦力による帝国主義列強の時代に推し進めていった。

最初は宗教対立だったが、20世紀には宗教など相手にしない無神論国家が登場し、加えて容易にかつ短時間に人類絶滅できる核兵器によって、個々人の宗教のありかた、個々人が宗教をどう生きるかが問われる時代になった。

もはや宗派対立している時代ではない。一人ひとりが、各々の神性を相互に礼拝しつつ生きる時代に入ってきた。

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