聖徳太子十七条憲法に日本のお国振りを見る
◎不安定な時代と腐敗した役人向けの文章 日本書紀に全文引用されたのが初出の聖徳太子十七条憲法。これは官僚の心得たる部分が多いが、そうではなくいわゆる時間のない世界から書き出された部分も少々ある。 第一条『一に曰わく、和を以って貴(とうと)しとなし、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。人みな党あり、また達(さと)れるもの少なし。...
View Article目には見えぬ毘盧遮那仏を見せる
◎奈良の大仏と水銀汚染 奈良の大仏は、745年に製作開始、752年に開眼供養された。大仏に費やされた黄金は1万4百両、水銀は5万8千6百両。これだけの水銀が必要だった理由は、大仏の表面の金メッキのため。すなわち水銀に金を溶かして表面に塗り付け、これを加熱して水銀を蒸発させれば、金メッキが出来上がる。 この時発生する水銀蒸気を作業員が吸い込んで、水銀中毒になった者が多数出たと考えられる。...
View Article舩井幸雄と『ヒマラヤ聖者への道』
◎チベット密教ではない世界観 『ヒマラヤ聖者の生活探求』は、最近改訳みたいな『ヒマラヤ聖者への道』が出て改めて眺めてみたが、やはり霊がかり系であった。 『ヒマラヤ聖者への道』の第六巻の巻頭に舩井幸雄が『ヒマラヤ聖者の生活探求』のプロデューサーであり、かつ彼が生涯この本を愛したということが書いてある。...
View Article釈迦の体験とは言えない体験
◎最後の身体を持つ者 ダンマパダの中に釈迦の体験とはいえない体験が載っている。 法句351 『究極に達し、恐れなく 渇愛を離れ、汚れなき かれは生存の矢を断った これは最後の身体である』 法句352 『渇愛を離れ、執着がなく 言葉と語法に精通し もろもろの文字の集合と 前と後をよく知るならば かれこそ最後の身体を持つ者 大慧者、偉大な人と言われる』...
View Articleホット・ヨーガのビクラムにレイプ疑惑
◎求道者には求道者のルールあり ホット・ヨーガは、熱い部屋でハタ・ヨーガをやるもので、ここ10年ほどで日本にもターミナル駅を中心に拠点を増やしてきた。ビクラム・ヨーガもその一つ。...
View Article元政上人
◎他宗派を排撃せず 元政上人は、江戸時代の日蓮宗の人物で熊沢蕃山の知己。他の日蓮宗の僧のように「念仏無間、禅天魔、真言亡国、律国賊」と唱えて他宗派を排撃することをしなかったので、宗派内から白眼視された。...
View Article戦争を繰り返してきた欧州
◎宗派対立の終焉 ロシア正教会は2016年2月5日、最高位のキリル総主教がフランシスコ・ローマ法王と今月12日にキューバの首都ハバナの空港で会談すると発表した。古くは、宗教対立は財産の分割となり、それが原因で戦争になった。こうした動きが世界平和への無数の流れの一つになればよいが。...
View Article釈迦の体験とは言えない体験-2
◎私は全知者、全征服者 ダンマパダの中の釈迦の体験とはいえない体験の追加。 釈迦がバーラーナシーへ行く途中で、邪命者ウパカから「あなたは、誰を師匠、和尚として出家したのですか」と問うた。 釈迦は、 『私は全知者、全征服者なり いかなる法にも染まりえず 愛尽解脱者、全捨断者なり 自ら知るゆえ、誰を指定す』 (ダンマパダ/片山一良/大蔵出版P426から引用)...
View Article天皇陛下の伊勢神宮ご遥拝
◎体外離脱での訪問 伊勢神宮内宮の遷宮は、平成25年10月2日。この日の午後8時が神様がお移りになる時刻。 この時刻に天皇陛下は宮中から伊勢に向かって、庭上下御の作法をもって御遥拝あそばされる。庭上下御とは、土下座のこと。(出所:神道と日本文化/戎光祥出版P139)...
View Article映画『クライマー パタゴニアの彼方へ』 セロ・トーレ
◎迷わない、迷えない、死 久々にものすごいチャレンジの映画。それが登山映画『クライマー パタゴニアの彼方へ』2014年。これぞ、死のスペクタクル化だった。...
View Article蓮如上人和歌
◎弥陀を頼む 蓮如上人の和歌からこれぞというものを集めてみました。 1. 月かげの いたらぬところは なけれども ながむる人のこころにぞすむ 2. 一念のうちにさだまる 往生を となへてのちと おもふはかなさ 3. ただたのめ 弥陀のちかひの ふかければ いつつのつみは ほとけとぞなる 4. あすみんと おもふこころは さくら花 よるはあらしの ふかきものかは 5....
View Article安心決定鈔
◎念仏三昧の領解 本当に念仏を繰り返していけば、念仏三昧に入り、すべてが南無阿弥陀仏の世界に入るのだろうか。 蓮如の重視していた安心決定鈔から 『念仏三昧において、信心決定せんひとは、身も南無阿弥陀仏、こころも南無阿弥陀仏なりとおもうべきなり。』 ここは、これから信心決定という悟りに入ろうとする人は、身も心も南無阿弥陀仏だという観想法的な入り方をするとする。 更に...
View Article諸如来はただ説き給うのみ
◎今日一日のうちに何分冥想に充てられたか 『努め励むはそなたら自身 諸如来はただ説き給うのみ 禅に入り行じる者らは 魔の縛りから解脱する』 (法句276 ダンマパダ/片山一良/大蔵出版P348から引用) ここでいう禅とは冥想のこと。現代は冥想するモチベーションを持つことと時間の捻出が大きな問題である。...
View Articleアメリカン・スナイパー
◎危機に晒されるデリカシー ジャパニーズ・スナイパーといえば、いつも単独行動のゴルゴ13。映画アメリカン・スナイパー(2014年)は、グループ組織での米軍スナイパーとして100人以上の敵を狙撃したスナイパーのレジェンドの話。モデルは実在したクリス・カイルという人物で、160人以上の射殺実績があるという。...
View Article古神道の三位
◎世界樹のシンボル 古神道では、第一位が天御中主神。ところが自ら第二位とも第三位ともなって顕現する。 『天御中主神は、第一着手として、理想世界を造営せらるるが為めに、第二位の神と成って顕現された。これが霊系の祖神高皇産霊神である。この理想世界は即ち神霊界で、無論凡眼の観る能わざる所、凡智の察する能わざる所である。...
View Article出口王仁三郎の金剛界胎蔵界
◎タカアマハラの真諦 真言密教系の後七日御修法は、毎年宮中で行われる宮中の修法であって、正月8日~14日の後七日に行われる仏事であって、一年おきに金剛界胎蔵界の修法がそれぞれ行われるという(禁秘抄講義(下巻))。 出口王仁三郎の金剛界胎蔵界の見解は以下のようなものであって手厳しいが、やさしい。...
View Article出口王仁三郎の真釣り
◎天上の儀を地上に「真釣る」 出口王仁三郎の真釣り論によれば、真釣りとは、天上と地上のバランスをとることである。 バランスがとれれば、天上の儀と地上の儀とは相一致する。如何にして、バランスをとっていくか、それは日々の冥想による。 以下は、出口王仁三郎の国教樹立に就てという一文から 『二十二...
View Articleゆずとライム
◎非時(ときじく)の香具の木の実 ブラジルのピンガベースのカイピリーニャというカクテルでは、ライムの実が入ってきて、それをスプーンで潰しながら飲む。それでライムのあまりにも高貴な芳香に出会うことになり、天国の木の実というのはライムの如きを言うのではないかと感激した。...
View Articleブログ開始満11年
◎稀なる覚者から天皇家の改宗歴など 今日でこのブログを始めて11年となった。偏に読者のたまものであることは、いうまでもありません。毎日のアクセスIP600弱のうち150くらいは、ロボットのようなので、正味読者は400人くらいのものだと思う。いつもありがとうございます。...
View Articleスーパーヒーローとメンタル・ヘルス
◎孤独と不安 往年の野球の名選手清原和博選手が覚醒剤で逮捕された。最近ではマスコミから、あまりにも彼周辺の情報が細大漏らさず流れ過ぎて辟易するほどである。そうした中で、彼への同情からか、改めてスポーツ・ヒーローとメンタルヘルスの問題を問う論調も見かけるようになった。...
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