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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ゆずとライム

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◎非時(ときじく)の香具の木の実

ブラジルのピンガベースのカイピリーニャというカクテルでは、ライムの実が入ってきて、それをスプーンで潰しながら飲む。それでライムのあまりにも高貴な芳香に出会うことになり、天国の木の実というのはライムの如きを言うのではないかと感激した。

ゆずというのは、東国の人の食生活にはあまりなじみがないものであったが、関西の手の込んだ料理には登場してくるものであって、その香気と風味の上品さは、あらゆる下界の味を帳消しにするほどの強さと清新さを持っている。最近某所でラーメンにゆず胡椒を入れるということがあって、ラーメンの汁がフルーティになったのは魔法の如きであったので、その感を新たにした。

ゆずは日本の果実の帝王であって、ライムは西洋の果実の帝王だと思う。小さなスーパーでもメキシコ産のライムを置いているので、日本にも根強いファンがいるのだろう。

非時(ときじく)の香具の木の実は、古事記の垂仁天皇が多遲麻毛理(たじまもり)に時じくの香の木の実を常世の国に求めさせた段に登場してくる。

「非時の香具の木の実は主の神の
  スの味ひをもてるなりけり」
(霊界物語第73巻  紫微天界 香具の木の実の段から引用)

多遲麻毛理(たじまもり)が、非時の香具の木の実を持参して帰朝した時には、指令を出した垂仁天皇は前年に崩御され、墓前にて先帝の生前に間に合わなかったことを慨嘆したという。

非時の香具の木の実はニルヴァーナのシンボル。生前に間に合わないというのは、他人に持って来させるものでなく、自分で求めるべきものであることと、どちらかというと死の世界の側のものであることとを暗示する。

多遲麻毛理(たじまもり)は、クンダリーニ・ヨーギであって、死の世界の秘奥を極めてから戻ってきたことを、往復に10年かかったとか、帰国できたのは神々の加護とか評しているのだと思う。

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