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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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『道』が鼓動する

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◎光り輝く炎のエネルギー

ジョン・ブロフェルドは、ケンブリッジ大学を出て、昭和8年から14年にかけて日中戦争の時期に7年間中国を放浪し、その間中国道教を体感した。

以下の文は、彼の質問に対する道教の師の回答だが、道についての見解と、日課を見るに相当な修行者であったことがわかる。ジョン・ブロフェルドも師にここまで語らせるほど準備ができていたということ。

『「行動そのものは有害ではない。だがそれは、目前の必要性に対する本能的な反応でなくてはならぬ。穏やかで深い静止の淵とも言うべき心の状態から発する行動のみが、望ましからざる結果を招来しないですむ。」

「だから、わしは日の出の二時間前に起きて静座、瞑想し、内なる心の完全な静止を体得するための修行を行う。
念慮の動かざる時、わしは『道』が鼓動するのを感じる。こうしてわしは、葉を通して活動が鼓動する樹木と一になり、光り輝く炎のエネルギーで鼓動する星と一になる。」

「わが念慮が静止しているがゆえに、『道』がわしの中を流れ、この流れは決して止められることはない。わが言葉と行為は、現下の状況に対する、自然のたくまざる反応である。

壁の陰に生える木は「生きるため、葉を太陽の方向に傾かせ、根で水を飲もう』などとは考えない。ただ自然発生的にそうするのである。清静なる状態から発した自然な行動は、それだけで十分に必要をみたすのである。」』
(道教の神秘と魔術/ジョン・ブロフェルド/P74から引用)

こうした道士はなぜか午前3時頃を使う。そこで想念停止し、そこで道の鼓動を感ずる。『道』が道士の中を流れる。光り輝く炎のエネルギーとはクンダリーニのことだろう。とても秘教的表現だが、このようなものだろう。

自然のたくまざる反応とは、本能と訳すと間違えるが、「覚者は道を生きる」ということをかみ砕くと、ただ自然発生的にそうするというような表現をとる。

日中戦争の後、赤禍が中国を覆い、現在に至る。中国の観光地のほとんどの道観や塑像が破壊され、残っている像は最近置かれた金塗りのものばかりであることは、観光宣伝の映像でよくみるところである。当時はまだ本物の道士が生きていたのだ。


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