霊統と血統

◎古神道の行方

クンダリーニ・ヨーガ系では、法統の相続について、血統による相続はなく、常に霊統相続である。
そこで古神道はクンダリーニ・ヨーガ系なのだが、なんだか血統相続みたいになっているパートもあるらしい。

出口王仁三郎は、第二次大本事件で、日本を統治する現皇室は、ニニギの系統だが、それ以前はスサノオの系統だったと語っている。（1937年11月25日の訊問調書）

この尋問調書では更に踏み込んで、
『現御皇室ガ日本ヲ統治セラレテ居ル事ハ、伊邪那岐尊ノ神勅ニ反シテ居ルト言フ意味ヲ暗示シタモノデアリマス(治安維持法違反並不敬出口王仁三郎事件出口王仁三郎記録』ということまで述べているが、

1938年8月10日の「京都地裁治安維持法違反並不敬事件公判速記録」では，王仁三郎はこの供述を「向フガ勝手二書イテ行カレタノデス」として，全面的に否定した
（出典：岩波天皇・皇室事典P213）

こうした出口王仁三郎の現皇室評価があって、いままさに今上陛下の生前ご退位の意向が示された。

古神道には顕斎と幽斎がある。天皇家の宗教は、仏教と古神道並列だったのを、明治維新で仏教劣後に追いやられた。空海の護持も効かなかったわけである。

名実ともに宗教なき日本になるかどうかの一つの分水嶺を迎えた。