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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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明朝と性的ヨーガ

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◎性事と政治

性的ヨーガとは、カーマ・ヨーガのことであり、北インドでアティーシャがこれを修したとされ、また、歴代ダライラマのうち何人かがこれを修したとも言われる。チベット密教に性的ヨーガがあるというのは、夙に中国人にも知られ、中国には道教の房中術があるにもかかわらず、唐代以降のチベット仏教流入の影響からか、明代の複数の皇帝はチベット風カーマ・ヨーガにふけったとされる。

いわゆる乱倫乱交とカーマ・ヨーガは全く異なったものであり、このブログでは、性的ヨーガを自称する
書物の幾何かにあたってみたが、一口に性的ヨーガと言っても、その狙うところの相違からか幾つかの種類があることに気がついた。ただ瞑想の深まりというものがないと性的ヨーガは成り立たないのであり、パートナーの選定も重要なファクターである程度のことはわかった。

さて中国明代第六代英宗皇帝から第十一代武宗皇帝までは、連続してカーマ・ヨーガに没頭した。特に武宗は、後宮に外観はイスラム風で中はチベット風の豪華宮殿「豹房」を作らせ、大勢の女性と日夜カーマ・ヨーガを修行した結果、31歳で急死した。

こうした皇帝は政務を顧みないので必ず国は乱れる。六代英宗皇帝は、果たして宦官王振の専横を許した。宦官王振は、もともと英宗の家庭教師だったが、王振は蓄財を目的に自宮(自ら去勢)して宦官となった人物であり、政治に対する理念に乏しく権勢と蓄財に邁進する性格であった。王振の専横により朝政は弛緩し、国内では社会不安が高まって思任発や鄧茂七らの反乱が勃発し、北方のオイラトはしばしば長城を越えて明へ侵入した。

トランプは宦官ではないが、政治に対する理念に乏しく権勢と蓄財に邁進する性格だとすれば、皆が期待するようなことにはならないかもしれない。有能で成功したビジネスマンは覚者ではなく、自己のメリット追及のチャンピオンであるだけなのだ。

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