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正しく世の中を遍歴するには-2

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◎ブッダのことば(スッタニパータ)

最古の仏典とされるのがスッタニパータの続き。

『367 修行者が、貪りと迷いの生存(煩悩の)矢を抜いたのであれば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

368 修行者が、自分に適当なことを知り、世の中で何ものをも害うことなく、如実に理法を知っているのであるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

369 かれにとっては、いかなる潜在的妄執も存せず、悪の根が根こそぎにされ、ねがうこともなく、求めることがないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

370 煩悩の汚れはすでに尽き、高慢を断ち、あらゆる貪りの路を超え、みずから制し、安らぎに帰し、こころが安立しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

371 信念あり、学識ある賢者が、究極の境地に至る定まった道を見、諸々の仲間の間にありながら仲間に盲従せず、貪欲と嫌悪と憤怒とを慎しむならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

372 清らかな行いによって煩悩にうち克った勝者であり、覆いを除き、諸々の事物を支配し、彼岸に達し、妄執の動きがなくなって、生存を構成する諸要素を滅ぼす認識を立派に完成するならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

373 過去及び未来のものに関して(妄(みだ)りなる)はからいを超え、極めて清らかな智慧あり、あらゆる変化的生存の領域から解脱しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

374 究極の境地を知り、理法をさとり、煩悩の汚れを断ずることを明らかに見て、あらゆる(生存を構成する要素)を滅しつくすが故に、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。」

375 「尊いお方(ブッダ)さま。まことにこれはそのとおりです。このように生活し、みずから制する修行者は、あらゆる束縛を超えているのです。かれは正しく世の中を遍歴するでしょう。」』
(ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)p77-78から引用)

367以降は、すでに究極の境地を知った人間の姿であり、それ以前とは趣を異にしている。

ここで描かれている遍歴修行者の姿は、究極の悟りを携えながら、もろもろの悪いことを為さず、もろもろの善いことを行う、そして冥想修行を継続するという菩薩の生き様である。

373の『過去及び未来のものに関して(妄(みだ)りなる)はからいを超え、極めて清らかな智慧あり』とは、宿命通という超能力の存在を暗示する。

冥想修行により究極の体験とはいえない体験をしたとしても、現実の生活では社会的不適応なシーンがあるものだ。それに対して、貪欲と嫌悪と憤怒とを慎しみ、安らぎに帰すという努力も必要になるのだろう。

解脱の現実というのはそういうものなのだろう。

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