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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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朦々淡々六十年

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◎覚者の日常感覚

大応国師は、京田辺町に禅道場を建立したが、南北朝の兵火にあって消失。土地の人はこのあたりに化け物が出るなどと噂していた。

一休は63歳の折、この廃墟の縁の下から金瓶3個を発見し、これを元手に開山堂を建て大応王国師の木像を安置した。隣に庵室を建てこれを酬恩庵と称し、
ここが一休入寂の地となった。

一休の自画像の賛

朦々として三十年
淡々として三十年
朦々淡々六十年
末後の糞をさらして梵天に捧ぐ
借用申す昨月昨日
返済申す今月今日

借り置きし 五つのものを四つ返し
本来空にいまぞもとづく



大悟するまでは朦々、大悟してからは淡々。
ことさらにをさらすと表現し、一生の価値なきを強調、慨嘆する。
今日はいつでも新しい未知の日であるから、昨日借りた肉体は今日返す。同じことの繰り返しではなく、今日新たに返す。肉体は五大。

五大を借用し、地水火風は返し終わり空だけが残った。

これを辞世とする人もいるのかもしれないが、辞世ではなく、彼の日常感覚だと思う。

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