◎遠い本来の自分
「テレビに破壊される脳/和田秀樹/徳間書店」の第三章「テレビに脳が書き換えられる」の第二節「不適応思考のパターンを作り出す恐怖」には、代表的な不適応思考パターン(不適応思考とは、社会的に不適応になっていくような思考パターンであって、うつ病に悪影響を与えるようなもの。)が挙げられている。これらはテレビの発想法であり、表現法である。(英語の直訳のせいか、テクニカル・タームのせいか一読しても想像のつかない見出しだらけなのだが)
1.二分割思考
善か悪か、味方か敵かみたいに物事を二分割・単純化して考えること。自分への要求水準が高すぎて「自分はだめだ」になりがち。
2.占い・読心
認知療法では、将来のことを勝手に決めつけることを「占い」、相手の気持ちや考えていることを勝手に決めつけることを「読心(とくしん)」というそうだ。
テレビのコメントや物事への評価は、こうしたテレにとって都合のいいものを断定的にという傾向がある。
3.過度の一般化
ある一つの事実をその他のすべての事象にあてはめようとしてしまう考え方、感じ方を「過度の一般化」というそうだ。こういうのは、うつ病になりやすかったり、重症化しやすかったりするそうだ。
4.選択的抽出
全体像を見ないで欠点や悪い面だけを抽出して人物や将来の予想を行うことが、選択的抽出。テレビはこういう方向の決めつけを多用するという。
厭世誘導ですね。
5.「~すべき」「~でなければならない」(sould思考)
テレビは政治家や芸能人に過度に清廉潔白であることを求めるそうです。
6. 情緒的理由付け
人の物事の考え方とらえ方は気分に左右されるということ。
7.レッテル貼り
相手や自分に何かレッテルを貼って決めつけること。物事のとらえ方にフランクさ柔軟性を失った状態。
8.肯定的な側面の否定
物事の悪い面ばかり注目すること。これもうつ促進要因。
9.破局視
何かトラブルに出会った時に、自分も終わりだというように思い込む傾向を破局視というそうだ。
テレビによる扇情、あおりですね。
著者は、テレビの価値観や表現方法が以上の特徴を備えていると指摘する。でもおそらくは9項目のうち半分以上の項目について、実は自分もそのように物事を考えたり感じたりしていると思う人が多いのではないだろうか。
そういう人は、社会に適応しているということでもあり、テレビに非常に影響されていることでもある。
ダンテス・ダイジは、「現代はマスコミがなければ、ほとんど何もない」ということをつぶやいたが、ことほど左様に現代人の心の中は、自分の考え方、物事のとらえ方のかなりの部分が、本来の自分から来たものでなく、テレビを代表とするマスコミから受けたものである。
そうした心性に堪えられる人が社会的適応者であり、堪えられない人が不適応者。不適応者の典型の一つがうつ病である。
禅では簡単に本来の自分と言うが、こうした生活環境と心性では、本当に何百枚ものたまねぎの皮のような心の皮をむかないと本来の自分、真面目にはたどり着くまい。
「テレビに破壊される脳/和田秀樹/徳間書店」の第三章「テレビに脳が書き換えられる」の第二節「不適応思考のパターンを作り出す恐怖」には、代表的な不適応思考パターン(不適応思考とは、社会的に不適応になっていくような思考パターンであって、うつ病に悪影響を与えるようなもの。)が挙げられている。これらはテレビの発想法であり、表現法である。(英語の直訳のせいか、テクニカル・タームのせいか一読しても想像のつかない見出しだらけなのだが)
1.二分割思考
善か悪か、味方か敵かみたいに物事を二分割・単純化して考えること。自分への要求水準が高すぎて「自分はだめだ」になりがち。
2.占い・読心
認知療法では、将来のことを勝手に決めつけることを「占い」、相手の気持ちや考えていることを勝手に決めつけることを「読心(とくしん)」というそうだ。
テレビのコメントや物事への評価は、こうしたテレにとって都合のいいものを断定的にという傾向がある。
3.過度の一般化
ある一つの事実をその他のすべての事象にあてはめようとしてしまう考え方、感じ方を「過度の一般化」というそうだ。こういうのは、うつ病になりやすかったり、重症化しやすかったりするそうだ。
4.選択的抽出
全体像を見ないで欠点や悪い面だけを抽出して人物や将来の予想を行うことが、選択的抽出。テレビはこういう方向の決めつけを多用するという。
厭世誘導ですね。
5.「~すべき」「~でなければならない」(sould思考)
テレビは政治家や芸能人に過度に清廉潔白であることを求めるそうです。
6. 情緒的理由付け
人の物事の考え方とらえ方は気分に左右されるということ。
7.レッテル貼り
相手や自分に何かレッテルを貼って決めつけること。物事のとらえ方にフランクさ柔軟性を失った状態。
8.肯定的な側面の否定
物事の悪い面ばかり注目すること。これもうつ促進要因。
9.破局視
何かトラブルに出会った時に、自分も終わりだというように思い込む傾向を破局視というそうだ。
テレビによる扇情、あおりですね。
著者は、テレビの価値観や表現方法が以上の特徴を備えていると指摘する。でもおそらくは9項目のうち半分以上の項目について、実は自分もそのように物事を考えたり感じたりしていると思う人が多いのではないだろうか。
そういう人は、社会に適応しているということでもあり、テレビに非常に影響されていることでもある。
ダンテス・ダイジは、「現代はマスコミがなければ、ほとんど何もない」ということをつぶやいたが、ことほど左様に現代人の心の中は、自分の考え方、物事のとらえ方のかなりの部分が、本来の自分から来たものでなく、テレビを代表とするマスコミから受けたものである。
そうした心性に堪えられる人が社会的適応者であり、堪えられない人が不適応者。不適応者の典型の一つがうつ病である。
禅では簡単に本来の自分と言うが、こうした生活環境と心性では、本当に何百枚ものたまねぎの皮のような心の皮をむかないと本来の自分、真面目にはたどり着くまい。