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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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加賀の千代女の禅機 

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◎朝顔や 地につくことを あぶながり

千代女は、加賀の松任の表具師の娘。

芭蕉門下十哲の一人支考の門人の盧元坊が加賀に来訪した折、俳句の出来を見てもらおうと盧元坊の枕頭で、ほととぎすの題を与えられ、一晩呻吟し、ひねり出した一句が、

ほととぎすほととぎすとて 明けにけり

これで弟子入りすることができた。

彼女は18歳で加賀の表具師に嫁いで、初夜が明け、良人に示した句

しぶかろか知らねど 柿の初ちぎり


また不幸にも25歳で夫と死別し、

起きて見つ 寝て見つ蚊帳の広さかな

さらに
花もなき身はふりやすき柳かな
と詠んで28歳で出家したのであった。

さる人が絵を上に下に讃をしたものを書いてほしいと言うのに対し、朝顔が長く上から垂れた絵を描いて、その下に

朝顔や 地につくことを あぶながり

別の朝顔テーマの句には
朝顔につるべとられてもらい水

があるが、山川草木悉皆成仏の愛に生きてこそこのような句が生まれる。

ある時越前永平寺の長老から禅問答をしかけられ、「一念三千の意を句に作ってみよ」と来られたが、平然と

千なりや蔓ひとすじの心から

と切り返し、相当な悟境であったことが窺われる。

禅院では美人は修行の邪魔であるとされ、なかなか入門を許されないのであるが、すんなり許されかつここまで達したのであるから、太って醜かったのは、禅寺での暮らしには却ってよかったというのが皮肉なことである。

美人だった慧春尼も了然尼も落ち着いて修行するためには顔を焼かざるを得なかったのは、男禅僧たちの不徳の至りである。

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