Quantcast
Channel: アヴァンギャルド精神世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

バルドル殺し

$
0
0
◎盲目の神による必殺の矢

バルドルは、北欧神話で主神オーディンの息子にして神々の中で最も美しく万人に愛された神である。彼は、最も賢明で、美しく光り輝く美貌と白いまつ毛を持ち、雄弁で優しかった。

美しいものは妬まれる。母フリッグは世界中の生物・無生物に彼を傷つけないよう約束させた。そのため、いかなる武器でも彼を傷つけることは出来なくなった。ただ、ヤドリギだけは幼すぎてこの約束ができなかった。

さてこれに着目したのが、いたづらものにしてトリック・スターのロキ。ロキは盲目の神ヘズをそそのかして、ヤドリギで作った矢でバルドルを射殺させることに成功。さらに念を入れてまた老婆セック(ソック)に変身してバルドルが甦らないように仕向けた。

ブラフ大好きなトランプはヘズのようだ。外面的に美しかった世界にやがてヤドリギの矢が放たれる。

北欧神話では、この時代の安寧にはほとんど興味やこだわりがないように一気呵成にラグナロクに進んでしまう。

バルドルは、白狐であり、ホワイト・フォックスであり現世的な繁栄の神である。それだけではこの時代を維持し続けることはできない。闇を忌避した時代では全体的かつ永遠の繁栄を保証することはできない。そこで七福神の宝船たる新たな大地が浮上するのだ。

死者も死んだ神も一旦は蘇らないとホリスティックな至福千年にはならない。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

Trending Articles