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なぜ戦争は起きるのか-クリシュナムルティ

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◎われわれはみな、われわれ以外の人間であることを知る

世界は、ロシア人、アメリカ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人、日本人、中国人など民族と文化、イデオロギーによって分割されている。

宗教もヒンドゥー教、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、仏教などに分割されている。

クリシュナムルティの見るところ、あらゆる民族には、同一の国語、同一の迷信、同一の政治的宗教的体系を持って共生しているという感覚がある。その延長線上に、その中で生活するのは安全で保護されており、幸福で安楽であるという感覚があり、その安全と安楽のために人は喜んで他人を殺す。ところが、その他人も殺す側と同様に幸福で安楽に暮らしたいという願いを持っている。

さて大国は、その重化学工業と経済力でもって小国を武装させ、武装させた小国同士の戦いで済まない場合は世界大戦に移行する。

こうした戦争を起こさない処方箋は、クリシュナムルティは、『われわれはみな、われわれ以外の人間であることを知ることだ』とする。他人が自分であることを自覚できれば、喜んで自分自身である他人を傷つけようとするものなどいないので、世界に戦争など起こらない。

民族や人種、国境や宗教の違いなどは皮相的なものだ。

『われわれはみな、われわれ以外の人間であることを知る』境地は人間という個人の側にはない。十牛図第八は、すでに人間がいない立場であり、クリシュナムリティはそこに至る方法を『考えよう』という知性に訴えたが、成功はしなかった。

いま、ここで、坐るしかないのだ。

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