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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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無宗教ジャポン

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◎神知らぬことを自分の危機だとも感じられない人たち

次の時代は、宗教のない時代であって、すべての個々人が神を直接知っている時代である。

現代は近代西欧文明が席巻しているのだが、近代西欧文明はカトリックから出てきて、カトリックは7世紀イスラム成立の土壌のひとつとなった。16世紀にマルチン・ルターが出てきてプロテスタントが登場するまでの1500年間は、カトリックは、未発達な西欧的自我を見事に涵養しえたと言える。

その結果市民意識というはっきりした自我意識の人間たちによって成る近代西欧市民社会が誕生してきた。これは物が豊かになり、個々人の持ち物がそれ以前の時代と比べて飛躍的に増大したことと無縁ではない。

我々は、テレビで中国の山奥の貧しい民族の個人の部屋や、チベット族の石造りの粗末な部屋に食器と洗濯物くらいしかないことを見ることで、現代の個人の持ち物がいかに多くなったかを比較し、確認することができる。

持ち物の多さは、自我の強固さの土台である。

近代西欧文明は、父偏重の文明で、母をないがしろにしている文明なのだが、父は意識的な部分、母は無意識的な部分で、こうした意識偏重文明を、光偏重ともアポロン的文明とも言う。

こうした特徴を持った宗教(カトリック)では社会全体のバランスがとれないので、グノーシスあるいは古代エジプトから発する無意識、死の世界、母の部分を主として取り扱う錬金術、魔術の伝統が付かず離れずして、存続してきた。

この古い伝統的テクノロジーは、一旦はイスラム社会の中で発展を遂げ、1492年のスペインからのユダヤ人追放をきっかけに、ヨーロッパを舞台にユダヤ教と混交した形で近代西欧文明の背後で伝統を継承してきた。

こうしたことを背景に20世紀になって、プロスタントの牧師の息子C.G.ユングが出てきた。彼は12歳の時に、このようなヴィジョン(幻視)を見た。『大聖堂の背景を為す青空の遥か上に高く神の黄金の玉座がそびえていた。そして玉座の下からはおびただしい排泄物が聖堂に落下して建物をばらばらに破壊した。』
これで彼は、神は聖書も教会をも超えるものであり、そのような伝統を捨てさせる恐ろしいものでもあることを直観した。

以後、ユングは心理学者として、無意識という死の世界を表に出して研究することを世間に認めさせることに成功したが、無意識=死の世界の影響範囲は、心理にとどまるものでなく、生活や世界の勢力の興亡にも直接影響することは隠し通したふしがある。

人はパンのみに生きるものではないが、20世紀になって、宗教禁止国家である共産主義国家が成立し、共産中国はいまや世界第二の経済大国として米国と覇権を争うまでに勢力を拡大した。

近代西欧文明は、無意識の部分を圧殺するという特徴があるが、共産主義国家は、その特徴を極限まで推し進めたものといえる。つまり近代西欧文明下の人は、キリスト教のもとで、無意識の奥底に位置する神とのリンクを持ち続けてきたことで、なんとかまともな人間の生きる正気な社会の体裁を整えることができていたのだが、共産主義は、その蜘蛛の糸にも等しい神とのリンクを認めないことで成立しているものだからである。

そして日本。戦前の国家神道の反動と、明治維新以来の宗教骨抜き政策の結果、日本は、知らずして無神論な人々がほとんどな社会になってしまった。神知らぬことを自分の危機だとも感じられない人がほとんど。そうなると、世間には、メンヘラー、そううつ、統合失調の人々があふれていく。

外国勢力の日本侵略も問題だが、そっちのほうが実ははるかに問題なのだ。
日中角逐は、無神論国家同士のせめぎ合いなのだとしたら、日本人は人間として結構恥ずかしいのではないか。

さて宗教のある国と宗教を認めない国が混在する現状では、当然より神に近づこうとする人と神などないとする人の2種がそれぞれ分離していく傾向がだんだん強まる。

その2種の人類の行く末は、旧約聖書のロトの事績が示しているとおりだが、ロトを訪問してきた天使を追い出しにかかるようなことは戒めたいものだ。




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