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道を行う者:西郷隆盛

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◎意の誠否は、須らく夢寐(むび)中の事に於いて之を験すべし。

西郷隆盛は、西郷南洲遺訓の中で自分のことを「道を行う者」と見ている。
彼は、天に直接相対する姿勢のことを誠と呼び、あらゆる発想、行動の根本に置く。

西郷南洲遺訓の中に江戸時代の儒者佐藤一斎の言志四録から抜き書きした部分がある。

「意の誠否は、須らく夢寐(むび)中の事に於いて之を験すべし。」

【大意】やろうとしていること思っていることが誠か否かは、夢の中、寝入りばな、あるいは寝起きに浮かんでくるもので、これをチェックすべきである。

西郷隆盛は、若い時に盛んにをやったが、沖永良部島の流刑時代のように狭い獄舎で冥想するしかない時期もあったろうけれども、実務の忙しい時期には、毎日ある程度冥想する習慣があったかかどうかはわからない。

よって、このように誰でもわかる表現である、「夢でチェックせよ」と書いているが、実は意識と無意識の境目に、それが「誠」つまり天意・神意に適っているものかどうかわかるコツがあると言っているように思う。

儒家の言は、荘子が盛んに揶揄したりネタにしたりするところではあるが、易経繋辞伝のように時間のない世界から書かれたものもあり、全部が全部おろそかにしてよいわけではなく、このように採るべきものもある。中庸の未発の中などもその一つ。


※西郷南洲遺訓は、国会図書館デジタルアーカイブからダウンロードしました。ありがたい時代です。

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