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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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黄金の時代

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◎サトゥルヌス(土星)の時代

ギリシア神話の最初のほうに、人の世は黄金の時代、銀の時代、銅の時代、鉄の時代を太古に経たことが載っている。このおかげで、この4区分は有名になった。小学生の頃、人と人が相争う鉄の時代は、太古のことだと信じていたが、今の時代こそ鉄の時代だった。

鉄の時代には、有害な鉄と鉄よりも有害な金が地中から掘り出されるとあるが、鉄よりも有害な金とは、ウランやプルトニウムのことなのだろう。

さて黄金の時代
『黄金の時代が最初に生じたが、そこでは、懲罰者もいず法律もなしに、おのずから信実と正義が守られていた。刑罰も恐怖もなかったし、銅板による公告にも、威嚇的な言辞は読みとれなかった。

哀願する罪人たちの群が、裁判官の顔に恐怖をおぼえることもなく、罰し手などはいなくても、生活は無事であった。

生い育った山中で松の木が切り倒され、船につくられて、海へ下ろされ、異国へ旅することもまだなかった。ひとびとは、故郷の海辺をしか知らなかったのだ。きり立った堀が、都市を囲むこともまだなく、銅でつくられたまっすぐな喇叭も、角のように曲がった号笛もなく、兜も、もなかった。

兵士は不要であり、いずこの民ヘ安全無事に、おだやかで気楽な日々を送っていた。大地そのものも、ひとに仕える義務はなく、鍬(くわ)で汚されたり、鋤(すき)の刃で傷つけられたりすることなしに、おのずから、必要なすべてを与えていた。

ひとびとは、ひとりでにできる食べ物に満足して、やまももや、野山のいちごや、やまぐみや、刺々(とげとげ)の灌木にまつわりつくきいちごや、さらには、生いひろがった樫の木から落ちたどんぐりを集めていたのだ。

常春の季節がつづくのだった。そよと吹く西風が、なまあたたかいその息吹で、種もなしに自生した花々を愛撫していた。やがて大地は耕されもしないのに、穀物をさえもたらすのであった。田畑は掘り返されないでも、豊かな穂先で白く光っていた。乳の河が流れるとおもえば、甘露(ネクタル)の流れが走り、青々としたひいらぎからは、黄金色の蜜がしたたっていた。』
(変身物語(上)/オウィディウス/岩波文庫P15-16から引用)

これは、為政者が何も政治らしきことをしなくとも、世界が丸く収まる鼓腹撃壌の時代のこと。外国にも出ないので、老子の小国寡民の小国家ビジョンでもある。松の世とはこうした時代。文明の利器がほとんど失われないと、こういう時代にはならないけど。

そしてこの時代はサトゥルヌス(土星)の時代であって、サトゥルヌスが奈落の底へ送られると引き続いてユピテル(木星の)支配である銀の時代になるとあるので、黄金の時代は、土星の時代であることがわかる。

通俗占星術ではサトゥルヌス(土星)は凶星に分類されるが、みろく神政、千年王国とは、土星の時代なのだ。アクアリアン・エイジのアクアリアス=みずがめ座の主星は、天王星だが、天王星発見以前は土星だった。






悟りとは何か

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