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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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弟子に神を見せてあげる

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◎どんな神を見たいのか

ある日、スワミ・ラーマが師匠に「神を見せて欲しい」と何か月も懇願し続けた。それに根負けしたのか、師匠は彼に「明日、神を見せてやる」と約束した。

スワミ・ラーマは、うれしさと期待で一晩中眠れず、神の姿についてあれこれと想像を巡らした。そうしたことを考えつくし、疲れ切ったが何もまとまらなかった。翌朝、沐浴し、断食し、新しい服を着て、髪までとかして師の前に出た。

師は彼に「本当に神が見たいのか」と念押しした。
彼は、「もちろんのことです。」
師は、「それでは、いったいおまえの見たい神はどんな神だ」と。

さて神は燃える柴の炎の中からモーゼを呼んだが、モーゼは神を見ることを恐れたので顔を隠した。モーゼは準備ができていなかったのだ。

唐代のフーテン禅僧普化が、ある日僧堂の前で生野菜をむしゃむしゃと食べていた。
臨済がこれを見て「一頭のロバそっくりだよ」と言った。
普化は、すかさずロバの鳴きまねをした。
臨済「このどろぼうめ」
普化「どろぼう、どろぼう」と言って出て行った。

普化は一個の神であって、臨済は何ものにも制約されず生きる一個の神を見ている。
人間は肉体を借り食物をも借りであるから、皆どろぼうのようなものだ。「どろぼう、どろぼう」。

そういうあなたはどんな神を見たいのか。その見たい神は本当に神なのだろうか。

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