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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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No more booing!!!

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◎不愉快な現実-テニス全米女子オープン

第50回テニス全米女子オープンは、第二セートでセットカウントでセリーナ・ウィリアムズがまだリードしているところで、観客席にいるコーチから助言を受けたとしてペナルティを受け、それが彼女をイラつかせ、ラケットはへし折るは、涙目でプレーするは、更には2度の審判への暴言を繰りかえすはで、会場は、審判への不満と大坂がリードしていることへの不満がないまぜになり、実に異様なまがまがしき雰囲気となった。

ワールド・ベース・ボールクラシックの日米戦でも米人審判がアウトのタッチアップをセーフに判定し、アウェーのスポーツ・ゲームでは、アメリカでは不法がまかりとおるものだと承知していたが、野球のようなチーム・プレーならいざ知らず個人プレーのテニスでこういうことが起こるとは、見ている方も身体がこわばるほどだった。

それでも、ゲーム・セットになれば、観客のブーイングは止むものだが、この日は、表彰式になっても大坂なおみが勝ったことについてのブーイングは止まなかったことにはあきれた。アメリカの民度の低さよ。

会場のフラッシング・メドウのこのあり得べからざる雰囲気を感じて元女王セリーナ・ウィリアムズが
” No more booing!!!”と会場のブーイングを制した。

ゲーム中は涙を流すほど取り乱していた彼女だが、ホスト国のいわばホステス選手として、一流スポーツ・ウーマンとしての矜持をこの一言で見せてくれた。

あのブーイングのままで表彰式が進行していたのでは、この大会はテニス全米オープンの黒歴史になるところだった。

それにして大坂なおみ選手は、サーブのスピードを180キロ弱に落としながらもサーブもストロークも正確で、球種の変化も交えて勝負して勝っていたというのが圧巻だった。
苦しい場面では、かなりの確率でサービス・エイスでしのげていた。

準決勝の戦いぶりでは、大坂に勝機はないかにも思われたが、終わってみると2セットの最初だけとりこぼしたが、危なげはなかった。

それにしても、アメリカ本土で、日本人がアウェーで勝つというのは、終戦後70年たってもこのように親の仇のように扱われるものであり、公平公正で伝統あるテニス全米女子オープンでも依然としてそうであることに、動揺を禁じえなかった。

そういうのを目の当たりにするのは不愉快だが、それもまた現実なのである。

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