Quantcast
Channel: アヴァンギャルド精神世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

至道無難の龍澤寺法語から-1

$
0
0
◎朝夕のご飯の味を知る人は稀

妙心寺関山国師は、公案一則だけで悟道したが、今三百則をやらせるのはどういうことなのかと問う人に、

至道無難
「朝夕ご飯を食べているが、その味を知る人は稀である。もし知る人があれば、それは食べない人である。」。

若い法師に、「善悪は同じか不同か」と問うた。口を動かそうとする時に、一棒を与えて「何の邪正かある」と言ったら悟った。

ある貧乏な人が、身のカルマと言って苦しむ。無難は、「その苦しみを去れ」と。
あるリッチな人が、過去のカルマを喜ぶ。無難は、「その喜びを去れ」と。
あらゆるもの(万法)を捨て、何事かあるのか。今の世で捨て、捨て果てなさい。捨てた後捨てるものがなくなって、それから私に聞きに来なさい。


とてもわかりやすく、かみ砕いた問答である。だが、「龍澤寺所蔵法語」などというタイトルがついた途端に、今なら読まれないことが多いだろう。

功過格の善の方に、捨てられた文章を拾い起すのも善行の一つに挙げている。このスマホで何でも調べられる時代ではあるが、禅籍とか、キリスト教の古典とか、西洋錬金術書とか日本の現代語文献については、意外に検索しても出てこないことが多い。

表層意識に神なき時代よ。


先日、ロス・アンゼルスの最高級レストラン(マライア・キャリーが別の番組でそこで食事しているのを見たことがある。)で、最も流行っているメニューというのがテレビで出てきていて、それが穀物を主体に肉を使わず工場で形成したステーキもどきなどいわゆる「精進料理」なのには笑った。オーガニック、自然食、菜食もここに極まり、それを外に求める形の一つ。

だが、ロスのハイソサエティにすら、ロハスが徹底して、大衆がある程度の肉体感覚の精妙性を得て、そういうメニュー、食材のニーズになっている点では、日本より、求道の心、冥想の環境は上であると認めざるを得ないと思った。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>