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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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フツーの人がフツーに悟ったチベット

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◎素朴でシンプルな生活ぶりから七つの身体

民族浄化は、最近では、チベット、ウィグルで問題になっているが、古今東西、日本でも同一民族との結婚禁止とか男女を別々に居住させるとか似たようなことをやっているものだ。だから今のチベットのことは知らない。

ナムカイ・ノルブの知っているのも1950年代までのチベットのこと。中共侵攻によりダライラマがチベットを脱出したのが1959年。その頃チベットを脱出したチベット密教僧も多かったのだろう。天安門事件後、日本に渡った中国人もいるように。

ナムカイ・ノルブの叔父の近所に一人暮らしの老人がいて、彼は石に真言を彫って暮らしを立てていた。

彼は若い頃、最初は仕立屋をやり、後に高名なラマであるドドゥプチェン(1865-1926)の馬の馬丁になっていた。

誰も彼がちゃんとした修行者だと思っていなかったが、死の一週間前に、自分の持ち物は息子の僧院に贈ると伝え、一週間以内に自分は死ぬと予告した。

更に彼は七日間テントに閉じ込めておくようにと頼んできたので、周囲の人はゾクチェンの高僧の屍解と同様の要求であることから、屍解が起こると見ていた。

八日目に、近所の人や、宗教は迷信・アヘンと考える中国の役人も含めた人がテントを開けると中には髪と爪しか残っていなかった。(ゾクチェンの教え チベットが伝承した覚醒の道 ナムカイ・ノルブ/著 地湧社P81-82から要約)

馬丁のようなフツーの人でも、生死を超え物質のくびきをも超えた七つの身体を屍解として成就する。誠に1950年代以前のチベットは、素朴でシンプルな生活ぶりの中に、仏がそこここに生きていた。

どうして屍解を選ぶのかよくわからないところがあるが、慧春尼が火定で死んだのと同じところがあるのだろう。チベット密教では、これを七つの身体と美称する。

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