俳優の死

◎シャーマンのトランス適性と「なりきる」

売れっ子俳優でイケメンの三浦春馬さんが30歳で亡くなった。かたや女性セブン2013.09.12 によれば、かつて蒼井優が同じマンションに引っ越して早朝デートを繰り返していたらしい。後に蒼井優は山ちゃんと結婚。

俳優については、その業界に就職した友人が性の乱れは動物の如しと語っていたのを聞いて、さもありなむと思ったことがある。シェークスピアの当時から俳優の墓は、教会の墓地でも別区画だったらしい。

だが、事スピリチュアルになれば、俳優は、チャネリング、帰神、シャーマニズムの主役。古代は戦争の指導者の一人でもあった。

シャーマンは、見事な俳優であるとともに振付師であり、神にもなる。だが一方で大規模な神がかり実験を行った出口王仁三郎は、その限界を見切っていた。

シャーマンのトランスに最適な状態というのは、感覚を蕩尽し意念を断滅することである。ところがそれのできる肉体を持っている人間は、とても意志薄弱な人でかつ無智蒙昧な人でないとそんな状態にはなれるものではないと彼は断言もしている。大女優、大俳優にも類似した特徴がある。要するに肉体のある限り、生きながら死人となりて成り果てる、シャーマンで最も期待される状態にはなれるものではないと見切っていたようである。

その一方で、もっと本質的な演技手を語っていたのが、ダンテス・ダイジ。
ダンテス・ダイジは私家版講話録で、弟子たちにまず死を語り、この世を愛を表現する俳優としての訓練であると説明する。
『さて、ここで死というものを君達の前に差し出したからさ、次は訓練ということを言う。なぜ訓練かと言うとね、間違えないでくれよ。普通の意味での訓練とここで言ってるんじゃないんだよ。

そうではなくてさ、君達は皆、俳優としてこの世に生まれて来ている。それは愛という人間がね、愛という生命がね、様々なことを演じる俳優としてね、生まれて来ているんだ。
愛を表現するために。

その時にさ、それは訓練なんだ。全ては愛がさ、訓練しているんだ。

だから一つ一つのものがさ、本当に訓練であるということがわかったなら、いろんなことをもっと楽しくできる。それはなぜかというと、元々愛しか存在しないからなんだ。それが愛を表現するために訓練してるんだ。』
（十三番目の冥想　雨宮第慈講話録/渡辺郁夫編Ｐ14-15から引用）

またクリシュナムルティは、「俳優は恐ろしく虚栄心が強い」（キッチン日記／マイケル・クローネン／コスモス・ライブラリーにある話）などと不用意なことを語ったりしている。

私は、俳優は未だに苦手だ。自分を捨てるのが怖いからだ。自分自身を演技するって何だろうといまだに思う。

大体、シュンニャという自分の外皮を何枚も剥く作業の中でさらに剥くべき皮を増やさねばならないのはおかしいと思うからである。