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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ポップ・スピリチュアリティ

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◎スピリチュアリティの沈滞を打ち破る黒船とは何か

『ポップ・スピリチュアリティ/堀江宗正/岩波書店』には、いくつかの主要テーマがある。江原啓之、現代の輪廻転生観パワースポット、「ネット、アニメ、出版などにおける心霊や魔術の遊び化」である。

これは、四十数年前の、雑誌ムーがわりに売れていて、高橋新次や高橋佳子や五島勉の著作がベストセラーになった時代から、スピリチュアルの世界では何も進歩がなかったことを示すマイルストーンである。

この40年に何が起きたかと言えば、外的には、日本経済のピークアウトと過去30年にわたる経済の長期低落。それに伴う中国の覇権国家化と米国力の衰退。

心理面でいえば、政治経済における権力、権威の相対化あるいは喪失、貧困化と核家族化の同時進行による独身者の急増とそれによる情緒の不安定化。そうした状況が引き起こすネット、ゲーム、テレビへの耽溺。これは、人々を情報操作、洗脳しようとする人にとっては大きなチャンスである。

だがその一方で、かつては権威あるものだった大新聞やテレビの報道が様々なタブーを内包した真実を隠した記事が多々あることが知られるようになり、却ってネットの記事(玉石混交だが)の方が公平であることも知られるようになった。

この長きにわたるスピリチュアリティの沈滞を打ち破る黒船とは何か。
それは、悟りが心理現象ではないということ、自分が逆転し、世界が顛倒し、宇宙が自分自身であること。

これは真面目な求道者諸氏にとっては至極フツーのことを言っているだけなのだが、実はほとんどの人にとって理解しがたい事実。それがわからないと、スピリチュアリティの一段の進歩はない。
これは法治による私権擁護やもめごとの9割は金で片がつくことだけが世間と思っている人にはわかりにくいかもしれない。

昨今の「ネット、アニメ、出版などにおける心霊や魔術の遊び化」で、いろいろな宗派の神霊名や印咒などが知られるようになったが、それは、好意的にみれば宗派なき冥想道、万教同根の先触れ。だが真相は真摯な日常の冥想への取り組みの先にしかない。

禅僧香厳が、投げた石が竹に当たり、コーンという高い音をたてた瞬間に悟ったが、彼はその時生半可な気持ちで遊んでいたわけではない。

宇宙樹の根は上で枝は下なのは、奇をてらったからそうなっているわけではないのだ。


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