Quantcast
Channel: アヴァンギャルド精神世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

金羊毛勲章

$
0
0
◎欧州随一の印

欧州一流の印と言えば、ハプスブルク家から授与される金羊毛勲章とイングランド王家から授与されるガーター勲章。どちらの勲章も母体は騎士団であって、金羊毛騎士団とガーター騎士団である。

金羊毛は、ギリシア神話で、アルゴー号に乗ったイアソンが、麻薬使いのメディアの助けを受けて手に入れた品物。また金羊毛は、無数の錬金術師たちが一生をかけて追い求めたターゲットそのものである。カトリックが母体だが、キリスト教ではないシンボルである金羊毛をシンボルとしているのが、仕組みをわきまえている人物が関与していたことを推測させる。

金羊毛勲章のイラスト:https://ja.wikipedia.org › wiki › 金羊毛騎士団
金羊毛勲章の写真:https://plaza.rakuten.co.jp/laurier/diary/201806220000/

時は、百年戦争の時代。15世紀の初めブルゴーニュは、繁栄し富強であったが、イングランドの同盟相手であり、ガーター騎士団と金羊毛騎士団は関係が近かった。

金羊毛騎士団は、1430年に、フィリップ善良公(ル・ボン)がポルトガル王女イザベルと結婚する際に、イングランドのガーター騎士団に倣って作られた。その後、フィリップ善良公の孫娘で、ヴァロワ=ブルゴーニュ家最後の君主となったマリー女公がハプスブルク家のマクシミリアン(後、神聖ローマ皇帝)と結婚したことで、同家の君主が騎士団主権者となった。

16世紀にかけてハプスブルク家の勢力拡大により、騎士団の権威が増大していった。ハプスブルク家が欧州最大の勢力と格式を誇るようになると、この勲章を授与されることは「一流の仲間入り」を意味するようになった由。

ウィーンの聖シュテファン大聖堂で2011年7月、ハプスブルク家の総帥オットー・フォン・ハプスブルクの葬儀が行われたが、スウェーデン国王夫妻、ルクセンブルク大公、リヒテンシュタイン侯爵など、そうそうたる面々が出席し、金羊毛勲章が今も欧州随一であることを証明して見せた。

16世紀半ばにハプスブルク帝国がスペインとオーストリアのそれぞれの家に分かれ、18世紀にスペインに新たにブルボン王朝が登場するようになると、1721年以降金羊毛勲章もそれぞれの君主から授与される栄誉へと枝分かれしていった。

ところが、1918年オーストリア帝国は第一次大戦とともに崩壊し1931年スペインも革命によって王政が倒され、金羊毛勲章も一旦公の場からは姿を消した。1975年スペインで王政が復古してこれが復活し、金羊毛勲章は今でもスペインで最高勲章の座を維持し続けている。

またオーストリアにはハプスブルク帝国が復活していないがオットーを主権者に騎士団は生き残り続けた。

なお日本で、2006年にスペイン最高位勲章であるトワゾン・ドール勲章(toison d'or金羊毛勲章)が紛失したらしい事件が国会報告されている。
https://kokkai.ndl.go.jp/minutes/api/v1/detailPDF/img/113114889X00719941124

やまのこ山 皇室ヤフオク(7)消えた勲章 (fc2.com)
http://yamanokoyama.blog.fc2.com/blog-entry-65.html


また2009年には、皇室ゆかりの外国の最高勲章が3個ヤフオクに出されている事件もあったらしい。

こうした最高位勲章は、外交儀礼で必須のものらしいが、奇怪なことである。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>