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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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悟り薬の実在-2

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◎賢者の石と不死の仙薬

鉛を溶かして中に賢者の石一かけを入れて攪拌しながら待つと黄金に変ずる。これは、只の人間がキリストに変わるということであって、賢者の石とは悟り薬に他ならない。

魏伯陽の周易参同契に『黄金は猛火に入れても輝きを失わず、土の中に埋めても朽ちない。これを服用すると長生が得られる。』とある。長生は、永遠の生命のこと。要するに黄金を服用すると永遠の生命が得られるとは、つまり黄金とは悟り薬を指すということ。

悟りとは第六身体アートマンにあることだが、すでに個人ではなく、全宇宙である。死に際しては、チベット死者の書の見るとおり、生前Aだった個人は、一旦原初の光なるニルヴァーナに取り込まれ(全宇宙なるアートマンを通過する段階もあるはずなのだが)、それからA‘として死から復活する。

個人AがA‘となることを、荘子は、荘周が私か、胡蝶が私かといぶかる。胡蝶であった時は嬉々として飛び回り、自分が荘周であることなどちらとも思いはしなかった。気を取り直すと、突然自分は荘周であることに気がついた。

これには、アートマンなる全体、全宇宙の体験の記述が欠けているが、気がつく人は気がつく。それは、体験とは言えない体験だが、それが死であり、再生は、死を通過することなくあり得ない。荘周と胡蝶の変身の間には、全体、全宇宙である個の死がある。

これらのことは、他の国の伝承の中にも見える。

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