◎哲学者の薔薇園
西洋の錬金術書「哲学者の薔薇園」では、男女結合して死を迎えた先に柩の中の両性具有者として6段階がある。西洋で言うところの「哲学」とは冥想の意味であることがままある。
挿絵の短い説明は、以下のようなものである(出所:錬金術と神秘主義ヘルメス学の博物館/アレクサンダー・ローブ/東京タッシェン・ジャパンP450-455)。
1. 霊魂の抽出または受胎
ボディは一個で、王の首と王妃の首のついている両性具有者は死に、その上方に霊魂が上昇し、四元素が分離する。
2. 洗浄または浄化
空から雨のように露が降り、棺の中の両性具有者の黒い身体を洗う。
3. 霊魂の歓喜または誕生または昇華
分離していた霊魂が天上から下降し(下へと漂い)、既に浄化された肉体を一新する。
4. 固定
分離していた霊魂が再度上昇し、「ここで月の命は終わりでない/精神は高く速やかに昇る」とある。
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5. 増殖
再び空から雨のように露が降り、棺の中の両性具有者に降り注ぐ。
「ここでは、水は沈み/再び飲むためにその水を地に与える」
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6. 再生
分離していた霊魂が天上から下降してくる。
「ここでは霊魂は空から来る、晴れ渡った空から。
そして哲学者の娘を復活させる」
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この六段階では、
1.両性具有者の死後、霊魂が分離し上昇し、四元素の分離は肉体死のイメージ。
2.本来分離した霊魂こそが意識本体のはずだが、ここでは天から露が降り肉体を洗う、と肉体のことを記述する。
3.前段で浄化された肉体が、霊魂の下降により一新される。
4.月は肉体。霊魂は再び上昇して去るが、肉体の使命は終わっていない。
5.天から水なる露が再度降り肉体を潤すが、露は水であるとし、プラーナ、アストラル体などより肉体に近いボディを賦活することを示唆する。
6.霊魂は天から肉体に戻り、両性具有者は、完全な人間として肉体をもって復活する。
哲学者の娘とは、出口王仁三郎の云う変性女子。
霊魂の死の体験談は、分離した霊魂のたどったルートでもって語られるのが常だが、これはわざわざ両性具有者というボディを中心に書いている。肉体に戻れるかどうか心配な人のために?
この辺の記述で思い起されるのはダンテス・ダイジの「ニルヴァーナのプロセスとテクニック」の神人合一から肉体への帰還のくだりである。
※「転移の心理学/C.G.ユング/みすず書房」では、本来20枚ほどある哲学者の薔薇園の図版を10枚程度に絞って説明しているのだが、妙なことである。ユングはどういうつもりだったのだろうか。
西洋の錬金術書「哲学者の薔薇園」では、男女結合して死を迎えた先に柩の中の両性具有者として6段階がある。西洋で言うところの「哲学」とは冥想の意味であることがままある。
挿絵の短い説明は、以下のようなものである(出所:錬金術と神秘主義ヘルメス学の博物館/アレクサンダー・ローブ/東京タッシェン・ジャパンP450-455)。
1. 霊魂の抽出または受胎
ボディは一個で、王の首と王妃の首のついている両性具有者は死に、その上方に霊魂が上昇し、四元素が分離する。
2. 洗浄または浄化
空から雨のように露が降り、棺の中の両性具有者の黒い身体を洗う。
3. 霊魂の歓喜または誕生または昇華
分離していた霊魂が天上から下降し(下へと漂い)、既に浄化された肉体を一新する。
4. 固定
分離していた霊魂が再度上昇し、「ここで月の命は終わりでない/精神は高く速やかに昇る」とある。

5. 増殖
再び空から雨のように露が降り、棺の中の両性具有者に降り注ぐ。
「ここでは、水は沈み/再び飲むためにその水を地に与える」

6. 再生
分離していた霊魂が天上から下降してくる。
「ここでは霊魂は空から来る、晴れ渡った空から。
そして哲学者の娘を復活させる」

この六段階では、
1.両性具有者の死後、霊魂が分離し上昇し、四元素の分離は肉体死のイメージ。
2.本来分離した霊魂こそが意識本体のはずだが、ここでは天から露が降り肉体を洗う、と肉体のことを記述する。
3.前段で浄化された肉体が、霊魂の下降により一新される。
4.月は肉体。霊魂は再び上昇して去るが、肉体の使命は終わっていない。
5.天から水なる露が再度降り肉体を潤すが、露は水であるとし、プラーナ、アストラル体などより肉体に近いボディを賦活することを示唆する。
6.霊魂は天から肉体に戻り、両性具有者は、完全な人間として肉体をもって復活する。
哲学者の娘とは、出口王仁三郎の云う変性女子。
霊魂の死の体験談は、分離した霊魂のたどったルートでもって語られるのが常だが、これはわざわざ両性具有者というボディを中心に書いている。肉体に戻れるかどうか心配な人のために?
この辺の記述で思い起されるのはダンテス・ダイジの「ニルヴァーナのプロセスとテクニック」の神人合一から肉体への帰還のくだりである。
※「転移の心理学/C.G.ユング/みすず書房」では、本来20枚ほどある哲学者の薔薇園の図版を10枚程度に絞って説明しているのだが、妙なことである。ユングはどういうつもりだったのだろうか。