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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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チャクラと七つの身体−52

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◎肉体−35 ハイレベル・トランス−8
◎ユダヤの文字観
◎文字観照 アブラフィアの技

アブラフィアは、13世紀スペインのユダヤ教マスター。彼は文字観照の冥想を得意技とした。

『文字という形で表される自然界に観照することを好んだアブラフィアは、同時代のイスラム神秘主義者(スーフィ)と親しい間柄にありながら、自我を抹殺するスーフィ流のトランス状態は受け入れなかった。彼も他のユダヤ神秘家同様、外側から始めて徐々に内に進むことを好んだのである。

弟子たちにもまず文献に出てくる神学的な問題を深く考え抜くように命じた。やがて彼らの思考はその問題を構成する文字それ自体にしか向かわなくなる。こうした精神集中から得られた解答を、弟子は始めは理性的・知的な過程の産物と見なすが、アブラフィアは文字の力こそ「気づかぬ内にその動きによって彼に影響を与え、思考を困難な主題に集中させた」ものに他ならないことを証明する。

弟子の記録によれば、アブラフィアは気さくに指導するタイプの師で、聖なる〈御名〉の置換法の奥義にまで注意深く彼らを導いてくれたという。弟子は『セフェル・イェツィラー』(文字の観照に関する一世紀の文献)をテキストに、二週間かけて一つの文字とその照応を記憶させられた後、記憶したものを全て忘れよと指導される。

無形の〈絶対者〉に到達するためには、至高の霊的な形態すら越えなければならないからである。知的理解を絶する聖なる〈御名〉ほどその位は高く、知性や理性による統制が少ないほど霊的な力は強い。アブラフィアによれば、「トーラー」を文字通りに学んでも、鋭敏になるのは単なる知性だけである―――真の「作業」は神秘的なトランス状態においてのみ生ずる。

「もし今の世に預言者がいて、生まれながらの理性を鋭くする方法や、肉体を脱ぎ捨てるためにそこに精妙な形態を見出したりする手段を示すならば」と彼は言う、「我らのカバラーに加えて、全ての自然科学は無用となろう」。アブラフィアの考える理想的な預言者ならば、もちろん瞬間的に法悦をもたらす母音と子音の組み合わせを啓示しただろう―――彼自身が行なっていたように。』
(カバラーの世界/パール・エプスタイン/青土社P119から引用)

アブラフィアは、エンソフ=窮極に到るテクニックを、阿字観みたいな文字観照に限定することなく、理性を鋭くするジュニャーナ・ヨーガ公案禅や、肉体を脱ぎ捨てる脱魂・クンダリーニ上昇などがあることを十分に意識している。
その上で、知性の限界を自覚せしめる技法でもってあらゆる先入観を破壊させ、かつ言霊の精妙なバイブレーションをも援用することにより、それに到達せしめるというやり口は、オリジナリティあふれる手法であるように思った。

【ザ・ジャンプ・アウト 108】


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